
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(Back to the Future)は1985年にPART1が公開され、1989年公開のPART2、1990年公開のPART3で完結した三部作です。
製作総指揮は巨匠スティーヴン・スピルバーグ。
監督のロバート・ゼメキスはこの作品で一躍メジャー監督に上り詰めた。
映画の内容は高校生のマーティという少年が友人の科学者ブラウン博士(通称ドク)が開発したタイムマシンに乗って過去や未来に時間移動して、様々な問題の解決に奔走する物語。
三十年以上たった現在でも、好きな映画ランキングで総合一位に選出されたりする大傑作。
私自身も大好きな作品なんですが、何がこれほどまでに人々を魅了するのかという話ですよね。
タイムマシンというだけでもワクワクするのに、過去だけではなく未来へも行ってしまうのが凄いところ。
過去は確定した歴史があるので描きやすいけれど、未来をどのような世界観で表現するのかが制作陣の腕の見せ所。
1985年頃の制作陣が想像した30年後の2015年と、実際の2015年を比較してみるのも興味深い。
未来編は色々と遊び心に溢れています。
映画では触れられていないですが、近所で変人として知られていたエメット・ブラウン博士(ドク)に興味を持った13~14歳頃のマーティがドクの研究所に忍び込んだ際に数々の発明品に魅了され、ドクは忍び込んだマーティを怒る事は無くむしろ自分の発明品に興味を持ってくれた事がうれしくて、それ以来親友となったそうです。
ドクは無闇に歴史を変えてはいけないという考え方なんだけど、発生している問題がマーティやドク自身にまつわる事なので、どうしても首を突っ込まざるを得ない状況になってくる。
そして毎回タネンという一族が行く手を阻むという展開。 PART1ではビフ・タネン、PART2はグリフ・タネン、そして再びビフ。 グリフとビフの二人は孫と祖父の関係。 最終話のパート3ではタネン一族の始祖とされるビュフォード・タネンが登場。
面白いのが、どの時代のタネンもトーマス・F・ウィルソンという同じ俳優が演じている事。
この人の存在があってこそのバック・トゥ・ザ・フューチャーですよ。
マーティの一族であるマクフライ家の面々は、何かしらタネン一族と関わっている因縁の関係。
PART1のあらすじ | マーティの両親の縁結びに奔走
1985年、カリフォルニア州ヒルバレーに住む高校生のマーティは親友の科学者ドクが製作したスポーツカーのデロリアンを改造したタイムマシンの実験に付き合う。
タイムトラベル実験は無事に成功したが、次元転移装置の燃料であるプルトニウムの調達時に騙した過激派の逆襲に遭いドクが撃たれてしまった。
同様に狙われたマーティはデロリアンに乗り込み30年前にタイムスリップ。
1955年に来てしまったマーティは帰りの燃料が無いため、この時代のドクの家を訪ねてみる。
PART1の主な登場人物
PART2のあらすじ | 未来から戻ってみると、なんだか変・・・
パート1で両親であるジョージとロレインの縁結びに無事成功し、1955年当時のドクの協力で元の時代の1985年(A)に戻ってきたマーティ。
過激派に襲撃されたドクも無事で一件落着。
しかし後日、未来への時間旅行から帰ってきたドクが大慌てでマーティを迎えに来た。
なんでもマーティの子供が未来で大変な事件を起こすらしい。
これを阻止すべく、マーティの未来の妻であるジェニファーも連れて三人は未来へ。
そして何とか未来の事件を防いで元の時代に戻ってきたら、何だかオカシイ・・・。
・マーティとドクが書き換えた1985年(A)
ジョージが男らしくなり、SF作家として大成功。
・ビフが書き換えた1985年(B)
ビフが大富豪となり、ジョージは故人。
タイムトラベルを行う前のオリジナルの1985年は消滅しているので(A)が基本路線。
だけど未来から二人が戻ってきたら (B) になっていた。
PART2の主な登場人物
PART2は過去・現在・未来へと大忙し
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』は映像を見れば分かるのだけど、文字だけで説明するのはちょっと複雑で難しい。
でも頑張って説明してみます。
■ PART1でマーティが1955年に行く前、つまりPART1の冒頭シーンの1985年をオリジナルとします。
この時点で父のジョージは気弱な少年のまま成長してサラリーマンになり、同じ会社の上司であるビフに学生時代同様の扱いを受けるうだつの上がらない男。
■ 1955年にタイムスリップしたマーティと接触した後のジョージは男らしくなり自信を付け、1985年(A)の時点でSF作家として成功しているイケてる大人に変貌。
子供の前で妻ロレインのお尻を触るなど、スケベなのは変わっていない。
いや、ムッツリからガッツリに変わった可能性も。
対するビフは自動車清掃業者として生計を立てている。
オリジナルから1985年(A)に歴史が改変された後は、ジョージの依頼でマーティの車にワックスがけをしていた。
PART1の最後の方のシーンは、売れっ子作家(ジョージ)に車の清掃を依頼された引受業者(ビフ)の立場なので、マーティの事を坊ちゃん呼ばわりして下手に出ていたという事。
■ マーティの息子が未来で引き起こす事件を防ぐべく2015年に行った際に、偶然その場に居合わせたビフ老人がデロリアンがタイムマシンである事を知ってしまい、二人の隙を突いてデロリアンに乗り込みある物を1955年の自分自身に渡しに行った事で新たな歴史1985年(B)が出来てしまう。
これによりビフは全米一の大富豪になり、ジョージを暗殺しロレインと無理やり結婚。
さらにビフ老人のアドバイスに基づきドクを精神病院に送り、事情を聞きに来たマーティを始末しようとする。
ビフにより改変された1985年(B)を元の時間軸1985年(A)に戻すために、マーティとドクは再び1955年にタイムスリップし、ある物を奪回するために奔走。
- 1985年(A)PART1で改変した1985年(A)からスタート
うだつの上がらないサラリーマンだったジョージは売れっ子作家に。
ジョージの上司だったビフは自動車清掃業者に。 - 2015年ドクと共にマーティとジェニファーが30年後の未来へ
息子が引き起こす事件を未然に防ぎ、暗い未来を回避。
ビフ老人がデロリアンを見てタイムマシンだと気付く。
- 1985年(B)未来から戻ってきたら歴史が変わっていた
2015年のビフ老人がデロリアンに乗って1955年の自分にある物を渡したことがきっかけで、新たな時間軸1985年(B)に改変された。
この時点でジョージは既に墓の中。
そして、ロレインとビフが結婚している。 - 1955年歴史を戻すために1955年へ
ビフ老人が未来から持ち込んだブツを回収。
- 1985年(A)元の時代に戻す事に成功!?
よく考えるとオリジナルの1985年をマーティ&ドクが改変した1985年(A)に戻っただけ。
・・・うーん、どうなのでしょうね?
本来であればオリジナルの1985年に戻すのが筋だと思うのだけど。
ドクは無闇に歴史を変えてはいけないと言いながら、自分達に関する事は都合の良いように改変してしまう、“言っている事とやっている事が違う”困った人物。
どうやら自分にとって都合の悪い真実からは目を逸らすタイプみたいです。
結局オリジナル1985年のは闇に葬られてしまった。
PART3のあらすじ | ドクを救出しに西部開拓時代へ!
PART2で再び1955年に戻り、ビフからある物を取り戻したマーティとドク。
この行動により1985年(B)が消滅して再び1985年(A)として上書きされた。
その後、元の時代へ帰るために飛行モードのデロリアンを着地させようとした瞬間に雷に打たれ装置が故障しドクはマーティを残してデロリアンと共に消えてしまった。
呆然とするマーティの前にウエスタンユニオン(米国に拠点を置く金融・通信事業者)の職員が現れ、ドクからの手紙を渡す。
日付を見ると1885年。
手紙を読んだマーティは再び1955年のドクに協力を仰ぎ、1885年に飛ばされたドクが鉱山跡に隠しておいたデロリアンを修理して親友の救出に向かう。
PART3の主な登場人物
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の疑問色々

■ PART2でビフ老人が過去の自分に“ある物”を渡して2015年に戻って来た直後に苦しみだし、最終的に消滅してしまったシーンの真相は、ビフ自身が歴史を改変してしまった事で1985年(B)が生まれ、ロレインと強引に結婚したことが原因。
ジョージを暗殺しロレインと結婚した事に満足したビフは浮気三昧で、ろくにロレインに構う事は無く最終的に彼女に射殺されたそうで、1985年(B)から続く2015年の時点ではすでに故人となっているので消滅してしまったという事みたいです。
■ 1885年にマーティとの決闘に敗れたビュフォード・タネンはシリーズを通してお決まりの馬糞まみれになったけど、そこにストリックランド保安官が現れなかったのは、悲しい事にマーティとの決闘直前にビュフォードに射殺されていたから。
DVDの未公開シーン集に収録されています。
■ ドクとクララはその後どうなったのか?
これは未公開シーンでもなんでもなくて本編で描かれているけど、ドクはクララと1885年に残った後に蒸気機関車をタイムマシンに改造して時間旅行をしまくっている。
二人の間にはジュールとヴェルヌという子供がいる。
ドクは2015年で若返り処置を受けており、肉体年齢は30代なので色々な意味で問題ありません。
■ ビフの子分三人組
1955年にビフの子分だった三人組は、1985年(B)でも同様に子分として登場。
みんな年を取って中年になっていて、3D眼鏡の男はミスター・マリック風になっている。
PART3のビュフォードの手下たちが、彼らの先祖かどうかは分からない。
最終的に1985年(A)が正史になった。
バック・トゥ・ザ・フューチャーの最終的な時間軸は、PART1冒頭のオリジナルの時代ではなくて、マーティとドクが1955年に行きジョージ・マクフライの性格を男らしく変えてしまった1985年(A)で固定されて終了。
ドクの信念を考えると苦言を呈さずにはいられないけど、全体的に前向きになったので良かったのではないでしょうか。
オリジナルの時代から1985年(A)になった事で変更された点を検証。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを視聴する方法
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズはテレビで何度も放送されている人気作ですが、三部作を全部放送してくれるなら良いのだけど1作目だけしか放送してくれなくて2作目の放送予定が無いという本当に歯がゆい思いをする人が多いと思います。
そんな時に動画配信サービスの利用がオススメ。
複数のサービスで配信されています。
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