この世界の日本は公権力による検閲が合法化されているという、とんでもない国になっています。
つまり、出版される書物が日本社会にとって都合が悪い物であれば国家権力が介入して没収や処分をしても許されるという事。
表現の自由が否定された中で不条理に規則違反として指定された書物を守ろうとする図書隊と、取り締まる側の良化隊が実弾で戦闘行為を行うヤバい国ニッポン。
『図書館戦争』あらすじ
1989年、昭和が終わり新たな元号『正化』が始まったと同時に施行された『メディア良化法』。
この法律により公権力による検閲が事実上合法化され、メディア良化隊と呼ばれる組織が公序良俗に反する書物を取り締まっていた。
一方、メディア良化法に反発する勢力が組織したのが図書館を守る自衛部隊・図書隊。
図書館の敷地内であれば銃火器の使用が認められている実質的な軍隊である彼らは、メディア良化隊から書物を守るために日々訓練に勤しんでいる。
正化31年、ある人物の私設図書館の所蔵物をめぐり、大きな戦いが始まろうとしていた。
【見どころ】公序良俗に反する書物は即没収!
- 図書隊は地方組織、良化隊は国家組織
- 戦闘はお互いに時間を決めて執り行う
- この映画の日本は「表現の自由」が認められていない
【登場人物 / キャスト】図書隊は自衛隊並みの重武装
感想(ネタバレ含む)表現の自由を守る専守防衛の武装組織・図書隊
この映画の日本では、国民全員がメディア良化法を受け入れたわけではない。
そんな法律は認めないと反発する人たちが立ち上がり、遂には実質的な軍隊が組織されました。
それが図書隊!
先制攻撃が出来ない専守防衛というルールに縛られながらも、マシンガンなどの各種銃を扱い、さらにはヘリコプターまで所有している組織で隊員は総勢3万人。
図書館を守るための組織にしては随分なものですよ、これは。
日本人同士で、規制派と反対派に分かれて戦っているという構図。
しかも図書隊もどうやら法律に基づいている組織みたいなので、そうなってくるとメディア良化隊と図書隊は両者とも公務員?
公共の図書館として機能している場所は同時に図書隊の駐屯地であり、しばしば戦闘が行われる。
おたくの図書館に所蔵している書物が公序良俗に反しているから没収や!
そんな事は許さん、法律にのっとり拒絶する!
こんなやり取りの後に、何時から何時までと戦闘時間を決めて実弾で撃ち合う。
図書隊とメディア良化隊以外の組織はどうなっているのでしょうか?
警察は表向き中立の立場みたいだけど、実質は検閲側のような感じ。
他の公的組織は今回は出てこなかった。
メディア良化隊は秩序を守るという名目の元、有害図書と見るや女性や子供が相手でも容赦なく強制的に本を没収。
法律に守られた存在とはいえ、完全に悪役そのもの。
しかも図書隊との戦闘時は、相手の命を奪う事も厭わないという危険な奴ら。
逆に図書隊は極力相手が致命傷を負わないように心掛けている良識派。
日本は社会主義国になってしまったという訳でもないみたいだけど、既存組織(自衛隊)の他にメディア良化隊・図書隊と少なくとも三つの重武装している組織が存在。
よく分からない両組織のお陰で自衛隊や海上保安庁の人手不足が益々深刻化しているであろう変な国・日本。
この物語は図書隊側の視点で進む
この作品は図書隊側の立場で描かれていて、主人公は笠原郁という新人女性隊員。
彼女は高校時代に書店で買おうとしていた本を良化隊に没収されそうになっていたところを図書隊員に助けられたのがきっかけで入隊。
その憧れの隊員が実はあの人なのだけど、彼女は全く気付かずに王子様を探し続けている。
郁はその能力を評価されて図書隊初の女性特殊部隊隊員になるが、小田原での任務からは外され、最高司令官と共に私設図書館オーナーの葬儀に出席していたところと誘拐される。
足が悪い司令官と付き添っていた郁の二人誘拐した連中って、宗教の過激派みたいな印象。
公序良俗に反し人々を惑わせる図書は許さない、反する者に対しては・・・
メディア良化法、恐ろしい法律ですな。
次回作 『図書館戦争 THE LAST MISSION』あらすじ・感想
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