現在でも実在している東慶寺という鎌倉のお寺が、縁切り寺として江戸時代の女性たちの逃げ込み場所だった時代の話。
当時は男子禁制の尼寺で男が足を踏み入れる事を禁止されていて、かつ、幕府からのお墨付きも得ていた為に妻に逃げ込まれた男たちは手が出せなかった。
そもそも江戸時代の婚姻制度がどうなっていたのかというと、お寺が市役所のような役割を果たしていて帳面に記録していたそうです。
単に「今日から私たちは夫婦です。」と宣言するのではなく、届け出制度があったんですね。
『駆込み女と駆出し男』あらすじ
江戸時代 、幕府寺社奉行もその役割を公認している、夫との離縁を望む女性たちが駆け込む「縁切り寺」を舞台に様々な人間模様が描かれる。
【見どころ】男子禁制!女たちの駆け込み寺
- 現在でも実在している東慶寺という鎌倉のお寺が舞台
- 江戸時代の離婚は現在とは比較にならない位に大変
- 口が達者な信次郎が妻を連れ戻しに来た夫たちを上手に納得させて帰らせる。
【登場人物 / キャスト】信次郎は大泉洋にピッタリの役
感想(ネタバレ含む)簡単に離婚できなかった江戸時代
江戸時代は夫婦が離縁するにはお寺に届け出る必要がありました。
とはいえ男尊女卑の時代なので簡単に夫側が離縁を認めないケースが多々あって、女性たちは男子禁制の縁切り寺に逃げ込み、二年間お寺で修業を積めば公式の縁切り状を発行してもらえたそうです。
いわゆる離婚届の受理ですな。
縁切り寺に入る前に、まずは御用宿で事情聴取を受けなけらばならない。
今でいうところの家庭裁判所。
ここで逃げてきた女性を受け入れるかどうかが判断されるという仕組み。
誰でも無条件で受け入れていてはパンクしてしまうので、これは必要ですね。
この映画では、柏屋がその役割を担っている。
ところで、信次郎という人物は医者見習であると同時に戯作者見習いでもある。
今風に言えば、研修医兼小説家の卵。
様々な言葉を知っているだけではなく、オリジナル作品も書いているという。
そのスキルが、妻を取り戻そうと柏屋に乗り込んできた男たち相手に大いに役立ちます。
頭の中でとっさに嘘のエピソードを作り上げ、さも事実であるかのように話して相手を無理やり納得させてしまう。
以後、信次郎は交渉役としても重宝される。
昔は医師免許なんてものが無かったので、ある程度の修業を積めば誰でも医者を名乗ることが出来たみたいで、中にはヤブ医者も結構な割合で存在していたとか。
ただ、藩によっては登録制度があっそうです。
彼の場合はどうやら、ある程度の医療技術を持っているみたいで時々尼寺に呼ばれる。
でも尼寺は基本的に男子禁制なので女体を見ないように目を閉じたまま診察とか、命がかかっているのにそれ以上に掟を重んじる風潮が非常にめんどくさい。
この時代はまだ命よりも重い事柄がいくつも存在していて、人々の多くはそれを尊重していました。
侍なんて、えっそんな事で!? というような驚く理由で切腹したりとか、命よりも名誉の方が重んじられていた時代です。
現在のサラリーマンなら何か失敗をしたら最悪でもクビ程度で済むのに、武士は腹を切らないといけないとは、今の価値観とは全く違って恐ろしい時代ですね。
江戸時代には「切り捨て御免」という武士の特権があったみたいですが、これにも決まり事があって、耐え難い侮辱を一般庶民から受けた場合にのみ許されるけど、後になって奉行所などで色々と取り調べを受けた上で正式に認められなければ、辻斬り(通り魔)という扱いになり罰せられるとの事。
無闇やたらに道行く人を斬りまくって「またつまらぬものを斬ってしまった・・・」とか言っていたら、場合によってはその本人が切腹しなければならない事態になっていた。
一般人に対して何をやっても許されるわけではなかったという事。
たとえ侍でも離縁を望む妻を無理やり寺から連れ戻す事は出来ないし、そんな事をすれば変な噂が立って家名に傷がつくので我慢しなければならなかった。
という事でしょうか。
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