実写版『ジョゼと虎と魚たち』あらすじ・感想 | 小説ともアニメとも違う結末

実写版『ジョゼと虎と魚たち』の詳細情報

公開年  : 2003年
上映時間 : 1時間 38分
監督   : 犬童一心
キャスト : 妻夫木聡 / 池脇千鶴 / 上野樹里 / 新井浩文 / 新屋英子 / 江口徳子 ほか

実写版『ジョゼと虎と魚たち』登場人物(キャスト)

恒夫(妻夫木聡)
麻雀屋でバイトをしている大学生。
ある日の早朝に偶然にジョゼと出会い、彼女の事が気になり始めて家を訪れるようになる。

ジョゼ(池脇千鶴)
足が不自由な女性。
趣味は祖母に押してもらう乳母車での散歩と、祖母がゴミ置き場で拾ってきた本を読む事。

ジョゼの祖母(新屋英子)
早朝にジョゼを乳母車に乗せて散歩をするのが日課。
ジョゼの事を「こわれもの」扱いして、世間体を気にして一人暮らしを装っている。

香苗(上野樹里)
恒夫と同じ大学で福祉を学んでいる。
好意を抱いている恒夫とジョゼが親密になっていくのが気に入らない。

ノリコ(江口徳子)
恒夫と同じ大学に通うセックスフレンド。
※改名する前の江口のり子。

隆司(藤沢大悟)
恒夫の弟。
兄とは真逆でマメな性格。

幸治(新井浩文)
子供の頃にジョゼと同じ児童福祉施設にいた青年。
現在は自動車整備士として働いている、ゴリゴリのヤンキー。

あらすじ | 足が不自由な女性と普通の大学生の恋

大学生の恒夫はバイト先の雀荘で話題になっていた“中身が不明な乳母車を押す老婆”と偶然遭遇する。

乳母車に乗っていたのは足が不自由な女性・ジョゼだった。
それ以降、ジョゼの家に通うようになった恒夫は彼女に恋心を抱くようになる。

感想(ネタバレ含む) | 最後は恒夫の覚悟が試される

原作の小説では最初からジョゼは車椅子に乗っているみたいだけど、実写版では何故か乳母車に乗って祖母と散歩をするのが日課になっている。

腰の曲がった老婆が人気が無い深夜から早朝にかけて、中身が分からない乳母車を押しているという光景はちょっと不気味です。

恒夫のバイト先は雀荘なので店に通う一癖も二癖もある客たちが、あの老婆はヤバイ薬の運び屋なんじゃないかとか色々と勝手な想像で面白おかしく言う訳ですよ。

どうして原作通りに最初から車椅子に乗っている設定にしなかったのでしょうね。

申し訳ないけど、あれは誰が見ても変な想像を膨らませちゃいますよ。

そんな噂の老婆と偶然に遭遇した大学生の恒夫は、乳母車が老婆の手を離れて坂道を勝手に下ってしまっているところを目撃して中身を知る事になるのだけど、途中で助けるのかと思いきや乳母車は思いっきりガードレールに激突!

でもなぜか無傷のジョゼ。
結構な衝撃を受けたはずだけど、まあそこは置いておいて、この件がきっかけで恒夫とジョゼの交流が始まります。

世間体を気にし過ぎる祖母

ジョゼは幼い頃に児童福祉施設にいて、現在は祖母に引き取られて二人暮らし。

おばあさんが足が不自由な孫を引き取って世話をしているのは感動的な話ではあるのだけど、ただ世間体を気にして人前に孫を出そうとしないんですよ。

最低限の世話はするけど人前には出したくないという心理は、どうかと思いますね。

孫の事を「こわれもの」呼ばわりする位なので、余程世間体が気になるのでしょうな。
戦前生まれと思われるおばあさんの価値観というのは、その世代では普通なのでしょうか。

五体満足に生まれてこなかったら欠陥品!?

足が不自由という以外は何もないのに、いくら何でも可哀そうですよ。

今の時代は身体障がい者の人達をサポートする体制が完全ではないにしても色々とあるので、おばあさんはちょっと保守的になり過ぎているというか、時代に取り残されている感が否めません。

おばあさんなりに孫を守ろうとしていたのだと思うけど、もう少し心を開いて欲しかった。

原作の初版は1985年に短編小説として月刊誌に収録されたそうなので、当時は昭和60年。
そして作者の田辺聖子先生は1928年生まれ。

映画の公開は2003年だけど、原作が初刊行された時点での価値観はまだまだ身体障がい者の人達に対しては厳しい時代だったので、おばあさんの人物像がこのような感じになったのかも知れない。

たぶん田辺聖子先生とジョゼのおばあさんは、同世代じゃないでしょうか。

外の世界を知らないジョゼ

本名はクミコだけど、とある本の影響で彼女は恒夫にジョゼと名乗っている。
おばあさんには普通に本名で呼ばれていますけどね。

秘密主義のおばあさんの影響でほとんど外に出る事なく暮らしてきたジョゼ。
しかも映画では彼女自身が“車椅子に乗らない主義”という謎の設定。

おばあさんに頼らなくても福祉関係の人に助けてもらいながら車椅子を使えば一人でやっていけそうな気がするのだけど、ジョゼ自身も自分を引き取ってくれたおばあさんには感謝していて、お互いにとって必要な存在なのでしょうかね。

もしかするとジョゼはおばあさんの為に、あえて車椅子に乗らない生活をしていたのかも。

でも、恒夫と二人で旅行する時も頑なに車椅子拒否を貫いていたので、それは違うのかな?

実写映画版限定の謎設定です。

ジョゼに恋をした恒夫の覚悟

この作品では足の不自由な女性のジョゼと、恒夫という大学生の恋が描かれるのだけど、恒夫の人物像がよく分からん。

セックスフレンドがいて、大学の同期の女の子とも親密になりたくて、それでいてジョゼの事も気になる。

当初の恒夫は異性にだらしのない男のイメージだった。

でもジョゼと親密になってからは一途な感じの好青年に変貌。

とはいえ、ジョゼを両親に紹介する直前で予定を変更して逃げ出す“ヘタレ”なところがあるので、心の中に色々と闇を抱えている男という事ですな。

おばあさんは世間体だけを気にしていたけど、恒夫は世間体に加えて将来に対する不安もある。
足が不自由なジョゼは恐らく一生歩けないままなので、彼女と一緒になるという事は相当な覚悟が必要になってくる。

20代前半の若者に、それを背負う覚悟があるのかという話ですよね。

実写版の結末は小説版の結末とは違う感じだけど、結局は小説版の延長線上に実写版の結末があるような気がしないでもない。

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『ジョゼと虎と魚たち』のアニメ版は実写版とはまた違った設定で内容もマイルド。
まあ実写版が生々しすぎるというのもあるんですけど。

原作は昭和に発表されて、実写版は平成、アニメ版の舞台は令和となっています。

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