よく見るとポスターの女の子はサツキではないしメイでもない。
当初は姉妹ではなく、一人の女の子が主人公という設定だったみたいです。
本記事内で使用している作品の場面写真は、スタジオジブリが公式に無料配布している画像です。
引用元URL:https://www.ghibli.jp/works/totoro/
あらすじ | 不思議な生き物トトロとの出会い
入院中の母が退院した時の為に田舎の農村に引っ越してきた草壁家。
長女サツキと次女メイの姉妹はお化け屋敷のような新居に興味津々。
ある日、メイが庭先で遊んでいると不思議な生き物を発見して後をついていく。
すると行き着いた先にさらに大きな生き物が寝ていて、メイはトトロという名であると勝手に解釈。
父に話してみると、それは運良く会えた森の主だという。
そして後日、今度はサツキがトトロに遭遇する。
【見どころ】ネコバスは神様
- ネコバスはトトロのような普通(?)の動物ではなく神の類らしい
※昔は人間のカゴ屋に化けていたけど現在はバスの姿がお気に入り
※大型客船級など様々な個体が存在 - トトロは神様ではなく動物らしい
- サツキとメイの母は、肺の病気を患っているらしい
『となりのトトロ』登場人物(声優)
感想(ネタバレ含む)トトロに会うには森へのパスポートが必要!?
「となりのトトロ」の舞台は昭和30年代前半の埼玉県所沢市。
終戦の年が昭和20年なので、そこから十数年後ですね。
大学の非常勤講師の父と小学6年生の姉サツキ、そして4歳の妹メイの三人が引っ越して来るところからスタート。
荷物を運んでいる車が軽トラかと思ったら三輪自動車。
いわゆるオート三輪というやつですな。
作品内では山道を軽快に走っていたけど、前輪が中央に一つしかないので当時はカーブでバランスを崩してよく転倒していたそうです。
まあ見るからに不安定だし、乗り心地も相当に悪かったそうな。
四輪の軽トラックが誕生してからは一気に姿を消したとか。
しょっちゅう転倒する車は、さすがに乗っていて怖いですからね。
母の病名は何なのか
映画を観た限りでは不明なので、草壁家のお母さんは一体何の病気で入院しているのかを調べてみました。
演出覚書では肺に関する病気で入院中という設定だそうです。
そして入院先が「七国山病院」という架空の病院だけど、当時結核治療の専門病棟があった病院がモデルとの事。
その病院の現在は様々な診療科目を備えた二次救急機関として東京都東村山市で経営が続いています。
ファンの間では結核説が濃厚みたいだけど、感染リスクがあるので面会が難しい病気のはず。
詳しく調べてみると、最初の数週間が過ぎれば他人に感染させてしまうリスクが低下して面会が可能になるみたいです。
草壁家の場合はお見舞いに行っていたので、感染リスクが低い状況だったのかも知れない。
そう考えると、お母さんは治りかけの状態だったみたいですね。
父はサツキに、お母さんは風邪をこじらせただけと説明していたみたいで、明確にどのような病状なのかを教えていない感じ。
メイはまだ4歳なので何も分かっていない。
草壁家が引っ越してきた理由は、お母さんにきれいな空気の環境で過ごして欲しかったからという事なのでしょうかね。
昭和30年代というと、大気汚染が社会問題化しているヤバい時代ですからね。
不思議な生き物と遭遇
ある日、サツキが学校にいる間に家の庭で遊んでいたメイは奇妙な生き物を発見。
普通はビビッてお父さんを呼びに行きそうなものだけど、メイはその不思議な生き物の追跡を開始。
まだ4歳なので好奇心が勝ってしまうお年頃。
そして行き着いた先にアイツがいるわけですよ。
メイ:「あなたの名前は?」
謎の生き物:「ドゥオーッ、ドゥオーッ、ボー!」
メイ:「トトロ・・・トトロっていうのね。」
何でやねん!と思ったけど、もしかすると子供にしか聞こえない音波のようなものを聞いたのかも知れない。
蚊が飛ぶようなモスキート音を人工的に出した時に大人が聞こえないのと同じ原理のやつ。
純粋な心を持つメイにはトトロと聞こえたのでしょう。
私は「ブォーッ」としか聞こえなかったけど。
・・・心が汚れてしまっているのですかね。
父にトトロの事を話してみると、それはきっと森の主だと説明される。
娘をがっかりさせないためにそう言っているのか、それとも考古学者としての意見なのか、お父さん自身がまだ純粋な子供心を持っているという可能性もありますが、何にしても娘の言う事を否定しない優しくて良いお父さんです。
この作品は全体的にやさしさ成分が多い。
おばあちゃんは良い人だし、カンタも良い奴だし、村のみんなも優しい。
みんなが助け合って生きていく、古き良き時代ですね。
後日、サツキもバス停でトトロに遭遇しました。
その時にお父さんの雨傘を貸してあげたら、お礼にドングリを包んだ笹の葉をもらった。
トトロにネコバスを呼んでもらう
ある日、病院から電報が届き母の体調が悪化したという知らせを受けたサツキ。
当時はまだ各家庭に固定電話が無かった時代みたいで、大学にいる父に連絡をするためにカンタの家の本家に行って電話を借りる。
黒電話よりも前の時代のもので、昔のスパイ映画でエージェントが本部と連絡を取る時に使うタイプの古い型のやつです。
この時代の緊急事態を知らせる連絡手段はまだ電報が主流だったんですね。
今ならメールで一瞬だけど、当時は郵便屋さんが届けてくれるシステム。
しかも一方的な情報だから母の体調が悪化したなんて書いてあったら、そりゃパニックですよ。
いくら気丈なサツキでも心配になって遂には泣き出してしまった。
まだ小学6年生ですからね。
サツキがこんな状態なのに、畳み掛けるように今度はメイが行方不明に。
こういう時って、落ち込んでいる自分よりもヤバそうな状況の人が出てきたらすぐに立ち直ってしまう人間の心理が興味深い。
サツキはいなくなったメイを捜す為に村中を走り回ります。
さすがはお姉ちゃん。
でもどこを探しても見当たらず、最後の望みをかけてトトロの元へ行きます!
トトロはサツキの言葉を理解してネコバスを呼んでくれました。
トトロ、優しい♪
トトロの身長は公式には2メートル。
サツキと比較すると3メートル近くあるように見える。
トトロはそもそも何者なのか
トトロが何者なのかという話ですが、神さまや妖精とは違うそうな。
トトロという名前はメイが勝手に解釈した名前で、
大トトロ(ミミンズク)、中トトロ(ズク)、小トトロ(ミン)が正式名称。
結局正体は分からない。
1000年以上生きる未確認生物というだけならまだしも、特定の子供にしか見えないという時点で普通の存在ではない。
時々ネコバスに乗って、湯婆婆が経営している「油屋」に通っていたら面白いですけどね。
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ところで、ネコバスの天井やサイドに付いているライトって、ネズミの眼が光っているというのをご存じですか?
ネズミにとってネコは天敵のはずなんだけど・・・これも宮崎監督の遊び心ですかね。
となりのトトロはネット動画配信では視聴できない
『となりのトトロ』はテレビの地上波で何度も再放送されている人気作品ですが、ネット動画配信サービスではどこも取り扱っていません。
トトロだけではなくてジブリ作品全般がネット配信されていないという状況です。
海外ではネットフリックスで配信されているみたいですが、なぜか日本では未配信。
現在のところ『となりのトトロ』を気軽に楽しむには、DVDのレンタルが手っ取り早いと思います。