学生時代に一晩で12軒のパブ巡りをしようと挑戦したけど中途半端に終了してしまった事をアラフォーになっても悔やみ続けている男ゲイリーが主人公。
そんなゲイリーが20年ぶりにかつての仲間達を招集してパブ巡りをするのだけど、故郷の町が宇宙人に侵略されていたというハチャメチャなストーリー。
イギリスの映画なのでハリウッドとは一味違う少し皮肉めいたラストが興味深い作品。
1人くらい空気を読めない大人がいても良いじゃない!?
『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』あらすじ
学生時代に一晩で12軒のパブをめぐる「ゴールデン・マイル」に挑戦したものの達成できなかったことを今でも悔やみ続けるダメ中年ゲイリーは、20年の時を経て当時の仲間達を故郷の町に招集し再挑戦を開始する。
久しぶりに戻った故郷の人々の様子がおかしい事に気づきつつも、ゲイリーたちは最後のパブ「ワールズ・エンド」を目指し挑戦を続ける。
【見どころ】宇宙人ではなく、人生について考える映画
【主要登場人物 / キャスト】オリヴァーはいつの間に入れ替わった?
感想(ネタバレ含む)18歳で時間が止まった男ゲイリー
この作品で監督がメインに描きたいのは宇宙人ではなく、20年経っても中身が昔と変わっていないダメ中年ゲイリーとそれぞれに人生経験を積んで大人として成長した仲間達との対比だと思います。
ハッキリ言って宇宙人の事はどうでも良い!
現在のゲイリーは完全なアル中でセラピーを受けている状態。
この男の楽しい思い出は学生時代しかなくて、それ以降の人生はずっと沈んだまま。
大人になるという事は、自分が進む道を自分で選択しながら生きて行くという事。
それをやってこなかった、あるいは適当に成り行き任せで生きて来た結果が今のゲイリー。
経験値を積まずにずっとレベルが低い状態で過ごしてきたゲイリーは、見た目はオッサン・中身は18歳のままというダメ中年。
少年時代の気持ちを心の片隅に持ち続けるのは大切だけど、少年のままでいるのは良くない。
そりゃ仲間達も呆れますよね。
アラフォーなのに未だに十代のノリで接して来られても付いて行けませんよ。
「大人になれ、成長しろよ」と言われるのは当然ですな。
宇宙人のお陰で昔に戻れた仲間達
精神年齢が親子ほども開いてしまったゲイリーと他の仲間達だけど、故郷の町が宇宙人に侵略されていると分かってからは全員が少年時代に戻ったように暴れ回ります。
というより暴れないと捕まってロボットと入れ替えられるので、やらざるを得ない状況ですけど・・・。
殴り合いはともかく、全力疾走なんて学生の時以来やっていないという大人が大半ですよね。
久しぶりに全身を使って大暴れした事で大人として振舞わないといけないという自制心のタガが外れて、みんな生き生きとしているように見えました。
オジサン達ばかりだから逃げている途中で肉離れにならないか心配だったけど、無事で良かった。
緊急事態だったとはいえ、たまには気持ちを子供時代に戻す事も人生には大切ですな。
自分の原点に返る感じでしょうか。
そういう意味ではゲイリーのような存在が仲間内に一人は必要かもしれない。
それにしても地球人と入れ替わった宇宙人のロボットが弱すぎた。
頭を捻れば倒せて、腕力もソフビの人形並みに軟弱で、あまり恐怖を感じない相手でした。
「逆らうなら力ずくで!」とか言いつつも弱い(笑)
この点は今作と同じエドガー・ライト監督による『ショーン・オブ・ザ・デッド』のゾンビなのに怖くない感じに似ています。
地球を侵略しに来た宇宙人は、自分達の考え方に共感する者は生かして反抗するものは抹殺するという連中。
話を聞いていると地球は他の銀河の星の中で文明レベルが低いから、自分達のフランチャイズに入って画一的になりなさいと言っていて、なおかつ異端は許さない。
この宇宙人は社会主義思想ですね。
まあ宇宙人はどうでも良いとして、大人になると周囲に合わせて行動せざるを得ない事が増えるので、多くの人が窮屈に感じながら生きていると思います。
この作品は画一的な大人になるか、ゲイリーのような空気を読めない自由な大人になるか、結局どのような大人になるが正解なのかを問いかけているのでしょうか?
ゲイリーは普段はダメ人間だけど目的が見つかると生き生きとするタイプ。
人生における勝ち組とは地位や名誉を得た者ではなく、「生きがい」を見つけられた者なのかも知れない。
正解かどうかは別としてゲイリーのようなタイプの方が、何かと楽しそうではあるんですよね。
映画『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』を配信しているサブスク
- 『ショーン・オブ・ザ・デッド』
- 『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』
- 『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』
上記の3作品は「スリー・フレーバー・コルネット3部作」と呼ばれていて、理由はそれぞれの作中に映画の内容に関連する色のアイスクリームが登場するからだそうです。
ストーリーに繋がりが無いため、単独で観ても何の問題もありません。
3作ともエドガー・ライト監督、サイモン・ペッグとニック・フロストの共演という部分が共通点です。
まとめて視聴するには「U-NEXT(ユーネクスト)」がオススメですが、動画コンテンツは権利の関係などで配信が停止になる可能性もあるので、最新の配信状況は入会前に公式サイトで確認してください。
映画のラインナップという点では動画配信サービスよりも宅配DVDレンタルサービスの方が豊富ですが、DVDを借りたり返却したりする手間が少々面倒なのがデメリット。
しかし音楽CDやアダルト作品も一緒に借りられるので、私はメリットの方が大きいと思います。
入会をご検討の場合は、下記の解説記事を参考にしてください。