『いつだってやめられる 闘う名誉教授たち』あらすじ・感想 | 超おすすすめ!イタリアン・コメディ三部作の完結編

リストラされて生活に困った元教授たちがドラッグの密造と密売を始めたものの最終的に逮捕されて、罪の抹消と引き換えに警察に捜査協力をしていく過程で危険なテロ計画を察知。

しかし警察に信じてもらえないので、みんなで脱獄して自分達で事件の解決を目指す事に!

イタリアン・コメディの三部作の完結編。
このシリーズを知らない人は今すぐ1作目から観た方が良いです。

『いつだってやめられる 闘う名誉教授たち』の詳細情報
  • 公開年  : 2017年
  • 上映時間 : 1時間 42分
  • 製作国  : イタリア
  • 監督   : シドニー・シビリア
  • キャスト : エドアルド・レオ / ルイジ・ロ・カーショ 他

『いつだってやめられる 闘う名誉教授たち』あらすじ

神経生物学者のピエトロは「何者かが神経ガスを使ったテロを企てている」と主張しても信じてもらえない事に業を煮やし、仲間達と共に刑務所を脱獄して事件を未然に防ごうと動き出す。

【見どころ】24時間以内に戻れば脱獄扱いにならない

  • 1作目の敵ムレーナを仲間に引き入れて刑務所を脱獄しようと計画
  • 仲間も敵もメインキャストが全員元教授
  • イタリアの法律では刑務所から抜け出しても24時間以内に戻れば脱獄扱いにならない!?

【主要登場人物 / キャスト】ムレーナがカギを握る!?

  • ピエトロ・ズィンニ(エドアルド・レオ)
    学者ばかりのギャング団のリーダー。
  • ヴァルテル・メルクリオ(ルイジ・ロ・カーショ)
    過去の出来事の復讐の為にテロを計画している工業科学者。
  • クラウディオ・フェリーチ(ネーリ・マルコレ)
    ムレーナの通り名を持つ犯罪組織のボス。
    実は流体力学の元教授。

感想(ネタバレ含む)日本では暗くなり、イタリアではコメディになる

「2作目が前編」で「3作目が後編」という構成になっていて、1作目の内容もしっかり絡んでくるという巧妙な脚本がスゴイ。

このシリーズは三部作をまとめて短期間で観る事をオススメします。

1作目 『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』あらすじ・感想

2作目 『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』あらすじ・感想

2作目で警察に協力する代わりに過去の罪を抹消してもらう予定だったけど、謎の勢力に新たな罪を押し付けられて再び刑務所に収監される事になったピエトロ達。

謎の勢力のリーダーは元教授なので、さすがにズル賢い!

しかもピエトロが彼の人生に影響を与えていたという皮肉がきいていて、1・2作目で散りばめられた伏線が本当に上手く回収されます。

ドラッグ密造組織を作ったり神経ガスによるテロを企てたりと、この作品に登場する組織のボスは主人公ピエトロも含めてみんな元教授。

シリーズを通して元教授たちが様々な事件を起こしているんですよね。

それもこれも国から予算が下りないのが大元の原因。
日本とそっくりで他人事とは思えない。
アメリカ政府が研究者を優遇して巨額の助成予算を計上しているのとは正反対ですな。

何故にこれ程までに研究者が冷遇されるのでしょうか。
「成果が出るのに数年どころか数十年かかって、それが役に立つのかどうかも分からない」
みたいな研究をしている人が多いのかな。

もしそうだとしたら、研究者の自己満足の為に限られた予算から計上は出来ないというのも分かる。
あとは研究内容が難しすぎて審査をする役人が理解できないから予算が付かないとか。

とにかく日本やイタリアは「予算がなくてロクな研究ができずに成果が出ない」という悪循環に陥っているように思える。

でも日本なら暗い雰囲気になるのに、どうしてイタリアではコメディチックになるのだろう?
国民性の違いでしょうか。

他に日本とイタリアの違いで驚いたのが、イタリアでは刑務所を脱獄しても24時間以内に戻れば脱獄の罪を問われないルールですよ。
※映画の中でそのように言っていただけで実際の法律は分かりません。

結局ラストは爽やかな雰囲気で締められたし、ラテンの国って大らかで羨ましいですね。

スカッとする感じではなくて、スーッと体の力が抜けていく心地の良い終わり方だった。

私の心が軽くなったのかな?

とにかく観て良かったと本当に思える三部作でした。

イタリア映画は侮れない

「いつだってやめられる」シリーズはイタリアの作品なので監督も脚本家も俳優も誰も知らなかったけど、良い作品に出会えました。

「オーシャンズ」シリーズの登場キャラの半分は空気のような存在だったけど、この作品の教授たちはみんな個性的なキャラばかりで親近感がわきます。
メンバーの半分は髭面だけど・・・。

関連記事 『オーシャンズ11』あらすじ・感想

私の勝手なイメージですがイタリアの成人男性の半分以上は髭を生やしている気がする。
主人公のピエトロも敵のリーダーも髭面だし、何かしらのアイデンティティ的なものが関係しているのでしょうか。

映画『いつだってやめられる 闘う名誉教授たち』を配信しているサブスク

「いつだってやめられる」シリーズは三部作となっていて、出来れば時間を置かずに全作編をまとめて観た方が確実に面白い!

1作目 『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』あらすじ・感想

2作目 『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』あらすじ・感想

調べてみたところ日本語吹き替え版は見当たらなかったのですが字幕版でも十分に楽しめるし、3作目のラストシーンは爽やかな風が吹きます(笑)

イタリア映画だと敬遠せずに、ぜひ手を伸ばして欲しい作品です。

私はあまり期待せずに「U-NEXT」で視聴しましたが、イタリア映画も侮れないと思いました。
お世辞抜きで面白かった!

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