昔ながらの任侠団体「阿岐本組」は地元の商店街の人達から慕われている、いわゆる地域の裏の顔役。
力で従わせるのではなく、お互いに心を通じ合わせて共存共栄する事がモットー。
今ではすっかりそんな人たちは姿を消したけど、探せばどこかにいるのでしょうかね。
『任侠学園』あらすじ
義理人情に厚く社会貢献に目が無い阿岐本組の組長は兄弟分の組長から、経営難の私立学校の再建を依頼される。
いつも組長に振り回されてばかりのナンバー2・日村は子分達と共に学校の立て直しに奔走する。
【見どころ】組長の趣味は社会貢献
- 構成員が善人ばかりの阿岐本組
- 厄介事を持ち込むのはいつもオジキ
- 組長のせいで苦労が絶えない日村さん
【登場人物 / キャスト】兄弟分に上手く利用される組長
感想(ネタバレ含む)阿岐本組の熱い情熱で周囲が変わる
阿岐本組長は社会貢献が大好きな人で、人の役に立つ事をしたくてたまらない性格。
その性格に付け込んで厄介事を次々と持ってくるのが、組長の兄弟分の永神のオジキ。
日村は自分の親分が便利に使われている事に気付いているみたいだけど、立場上、文句を言うことが出来ない。
親分の言う事は絶対の上下関係が厳しい世界ですからね。
阿岐本組 掟 三箇条
一、カタギには手を出さない
一、勝負は正々堂々と
一、出されたものは残さず食べる
なんだか武士みたい。
この掟は絶対に守らなくてはならず、例えば組長が買ってくれた豚の顔の丸焼きも残さず食べないといけない。
組長が行きつけの中華料理屋のメニューは春巻きとかが美味しいんだけど、なぜかお土産に変な物を買ってくる癖があるみたいです。
食べ物に関しては、下の立場の人が兄貴分に押し付けられて苦労する羽目になるんでしょうね。
阿岐本組は総勢6人しかいない弱小団体で、指定暴力団でもない。
とにかく世のため人の為に働いて、少しだけ報酬を受け取っている。
商店街の人達も仕事を回して貰ったりしているので、みんな組に好意的な印象を持っている。
社会的にはアレな存在なんだけど、必要悪というやつでしょうか。
この映画は今野敏という作家さんの任侠シリーズが原作で、今回はシリーズ2作目を映画化。
原作の1作目は倒産寸前の出版社の経営再建に奔走、そして今回は私立学園の経営再建。
映画の作中で永神のオジキが厄介事を持ち込むのが初めてではない感じだったので、原作通りの順番かどうかは分からないけど設定上過去に色々と阿岐本組が経営再建をした会社がある様子。
原作シリーズでは出版社・銭湯・病院・映画館などの物語があります。
組長が理事長、日村が理事となって学校の経営再建に乗り出す事になった阿岐本組。
これ、マスコミにバレたら格好の餌食になりそうですよね。
校長先生に話を聞いてみると、特に校内に問題はなく本当に普通の学校との事。
その割には部活が全面廃止になっているし、夜な夜な何者かが侵入して学校のガラスを割る事件が発生している模様。
舞台は高校なんだけど、スポーツ部や文化部を問わずに部活動が全て廃止されている時点で異常ですよ。
保護者からの要望でそうなったみたいだけど、生徒たちはどう思っているのか・・・。
強豪とかじゃなくても高校時代に部活動を通じて一生の思い出ができたという人も多いはずだし、恩師や親友やもしかすると将来の結婚相手なんかと出会ったりするのが部活動でしょうが!
ちなみに私は帰宅部員だったので、高校時代はバイトばっかりしていましたけど。
まあ私の過去はどうでも良いんですが、情報では野球部の暴力事件がきっかけで部活動が廃止になったという話。
最初は反抗的だった生徒たちも、正面から向き合って話をしてくれる日村達に対して親近感を覚え始める。
この反抗的だった連中がガラスの件に関わっていたんだけど最後はビビッて正座。
生徒たちの前で小指を切り落とす意味で落とし前とか言ったり、生徒を殴らない代わりに子分の真吉を殴って見せたり、ヤクザの怖い部分を見せつけられた現代っ子の高校生達はあっという間に降参した訳ですよ。
そして真吉には後になって血が付いた服のクリーニング代や治療費を渡す優しい兄貴分の日村さん。
カタギには手を出さないという掟があるので必要な場合は子分を殴っているところを相手に見せつけてビビらせる手法をとるけど、上司としては最高の人ですね。
日村さんはいつだって真剣な熱い人なんですよ。
しかし熱いのは日村さんだけではありません。
組長だって節目節目に登場して、ビシッと話をまとめる重要な役回り。
ただの社会奉仕が好きな道楽じじいだと思ったら大間違い(笑)
このおやっさんだから、日村さんたち子分は付いて行くんですよね。
保護者代表の怪しい男
ガラスを割った生徒たちの中で一人だけ白旗を上げなかった生徒がいて、母親同伴で学校にやって来た。
どうやら日村さんの刺青に気付いたらしく、自分がやった事を棚に上げて親を味方につけたみたいです。
最悪やなコイツ、ロクな大人にならんやろな。
ガラスを割ったことを反省しないばかりか、新理事がヤクザだと親に訴えて学校から追放しようと画策。
本来であれば退学処分になってもおかしくなかったのに、温情をかけてくれた日村さんを・・・
そしてこの親子に同伴してやって来たのが保護者会代表の小日向という男。
この時は阿岐本組長の漢気のお陰で事なきを得たけど、この保護者代表の男が曲者。
校長の話では以前に学校の経営権の譲渡を迫っていたそうで、どうも怪しい。
まあ娘を学園に通わせている保護者なのは間違いないのだけど。
という訳で阿岐本組の情報収集担当の徹がITを駆使して調査してみると、黒い交際が発覚。
なぜ学園を狙っているのかも判明。
それにしても徹がスゴ過ぎる。
小日向の会社にマルウェア(ウィルス)を仕込んだメールを送ったりとか。
阿岐本組って組長込みで6人の弱小勢力なのに、とんでもない技術者を抱え込んでるな。
日村さんもリーダーシップのある良い兄貴分だし、もしかすると他のメンバーも何かの一芸に秀でているのかも。
そんな事よりも小日向のバックにはヤバイ組織が控えているという話なんですよ、これが。
永神のオジキも面倒な案件を持ってくれたものですね。
ところで、オジキは何で自分でやらないんでしょうかね。
もしかすると裏で資金援助くらいはしてくれているのかも知れないけど作中でそういった描写は無かった。
なので阿岐本組が妙にお金を持っている理由が気になります。
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