何者かにスケープゴート(悪者に仕立て上げられる)にされてしまった主人公の青柳。
しかも着せられたのは、首相暗殺の濡れ衣。
無実なのに逃げ続ける事を余儀なくされた青柳の前に、キルオという謎の人物が助け舟を出す。
キルオの正体も青柳を陥れた黒幕の正体も謎なので、非常に考察しがいのある作品。
『ゴールデンスランバー』あらすじ
新首相が故郷仙台での凱旋パレード中に暗殺された。
そして何故かその場に居合わせた男:青柳が警察官に銃を向けられ発砲される。
訳も分からず必死で逃亡を続ける青柳は、本人が知らないところで大きな陰謀に巻き込まれていた。
【見どころ】黒幕は一体誰なのか
- 誰が何の目的で青柳を暗殺犯に仕立て上げたのか
- 現場の警察官には知らされず、上層部しか知らない秘密がある
- キルオの正体が謎過ぎる
【主要登場人物 / キャスト】キルオは本当にただの通り魔?
感想(ネタバレ含む)首相暗殺事件の黒幕は誰?
この作品を観るのは2度目だけど、映画の中だけの話で日本では現実感がないと思っていた首相を狙った事件が実際に発生しているので最初に観た時と比較すると全然印象が違う。
過去の実際に起きた事件では犯人は現行犯なのでその場で逮捕されているけど、映画では青柳が逃亡を続けます。
まあ、そりゃ逃げるでしょうね。
本人は何もやっていないのに、いきなり犯人扱いされたのだから。
事件発生直前に、久しぶりに再会した大学時代の友人の森田が「お前、オズワルドにされるぞ」と青柳に警告する場面が大きな伏線になっている。
オズワルドとはアメリカ合衆国で発生したケネディ大統領暗殺事件の実行犯とされている人物。
彼が犯人だという確定的は証拠がなく、真犯人は他にいる可能性もある。
つまり、森田が言いたかったのは青柳は何者かの陰謀に巻き込まれて濡れ衣を着せられるという意味ですね。
実は本来首相になるはずだった人物が他にいたみたいなので、その周辺の勢力が陰謀を企てた可能性が高い。
いわゆる派閥争いでしょうか。
もしそうだとしたら、国家権力が無実の一般国民を生贄にしたという事。
恐ろしい話ですな。
しかしこんな手荒な事をする時点で、この政党あるいは政治家は先が短い気がする。
国民を犠牲にしてまで自分の欲望を叶えようとする奴なんて、いずれ天罰が落ちますよ。
黒幕の正体は作中で明らかにならないので、犯人については個人的な考察に過ぎませんがね。
キルオはどうして青柳を助けたのか
連続通り魔事件の犯人として手配されているキルオという男が青柳の逃亡の手助けをするのだけど、理由は単なる気まぐれ。
キルオは、そもそも何者なのでしょうか?
分かっているのはシリアルキラーだという事。
早い話が精神に異常をきたしている危ない奴ですが、映画では不思議と正義の味方に見えてしまう。
私はキルオは無差別に人を殺しているのではなくて、しっかりとした目的があってターゲットを選んでいる可能性があると思ったけど、どうでしょうかね。
なんか警察に対して敵意を持っていた感じもあるし、因縁があるのかな?
私にとって『ゴールデンスランバー』における一番の謎は青柳を陥れた黒幕ではなくて、キルオの正体です。
アイツは一体何者なんや?
言葉通り気まぐれで青柳を助けたのか、本当は目的があったのかも謎。
もう一つ気になったのが、キルオは見知らぬ親子に高級バイクをプレゼントしたそうだけど金の出所は?
殺した相手から盗んだ金か、それとも闇の仕事で稼いだのか。
世間ではシリアルキラーとして認知されているけど、実際のところは誰かに依頼されて仕事をこなすプロの可能性も否定できない気がする。
もしかしてキルオの本職は「殺し屋」!?
原作でも正体は詳しく描写されていなかったはず。
映画『ゴールデンスランバー』を取り扱っているサブスク
伊坂幸太郎原作の映画は様々なサブスク動画配信サービスで配信されています。
関連記事 『ブレット・トレイン』あらすじ・感想
『ゴールデンスランバー』は個人的に実写映画化作品の中でもかなりおススメなので、ぜひ鑑賞して頂きたいです。
私は利用しているサブスクで配信していなかったので、宅配DVDレンタルを利用しました。
同じタイトルの韓国版もあるので間違わないように要注意。
※韓国版も伊坂幸太郎原作。