恒松祐里主演『きさらぎ駅』あらすじ・感想 | 異世界は人間の心を試す実験場?

ネット掲示板で有名な都市伝説が映画化された作品。

実在しない「きさらぎ駅」に迷い込んだ女性の体験談を聞いた大学生が興味本位で取材した通りの手順で電車に乗ると、本当に異世界の駅に到着してしまう。

「きさらぎ駅」のある異世界で命を落とすと何度も同じ場面でタイムループ的に登場するゲームのモブキャラのような存在になってしまいます。

  • 初めて迷い込んだ者は、誰よりも早く現実世界に戻る出口を通過する。
  • モブキャラになってしまった場合でも、一番最初に出口を通過する。

というのが異世界から脱出するクリア条件のようです。

『きさらぎ駅』の詳細情報
  • 公開年  : 2022年
  • 上映時間 : 1時間 22分
  • 監督   : 永江二朗
  • キャスト : 恒松祐里 / 本田望結 / 莉子 / 寺坂頼我 / 木原瑠生 / 瀧七海 / 堰沢結衣 / 芹澤興人 / 佐藤江梨子 ほか

『きさらぎ駅』あらすじ

大学生の春奈は卒論のテーマに選んだ異世界の駅「きさらぎ駅」に実際に行ったと噂がある純子を訪ね取材を行い、実際に純子が辿った方法で電車に乗車してみる。

いつのまにか電車内で眠っていた春奈が目を覚ますと、窓の外には見た事がない景色が広がっていた。

そして電車が停車した先の駅名は「きさらぎ駅」。

【見どころ】手順通りに乗ると「きさらぎ駅」に到着

「きさらぎ駅」が存在する世界は間違いなく異世界。
それも怪異が存在する地獄のような領域。

この世界では同じ出来事がタイムループ的に発生する仕組みで、春奈のように予備知識を持った状態でイレギュラーな行動をとった場合は知っていた情報と少し異なる展開となる。

【主要登場人物 / キャスト】純粋な心を持つのは明日香だけ!?

  • 堤春奈(恒松祐里)
    民俗学を専攻している大学生。
    卒業論文のテーマに都市伝説の「きさらぎ駅」を選び、体験者とされる純子を訪ねる。
  • 葉山純子(佐藤江梨子)
    異世界の「きさらぎ駅」に行ったと噂される女性。
  • 宮崎明日香(本田望結)
    純子が教師として勤務していた高校の生徒。

感想(ネタバレ含む)奇妙な異世界に迷い込む

インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」の書き込みが元ネタになっている都市伝説が映画化された作品。

「きさらぎ駅」に関する情報はYouTubeで様々な考察やまとめ動画が見つかるので、事前に観ておく事をオススメします。

この映画は都市伝説を楽しむ内容なので怖いというよりも不気味な感じで「世にも奇妙な物語」の雰囲気に近いマイルドなホラー作品。
途中でおじさんが爆発したりしますが・・・。

主人公の春奈は自分の意思で迷い込んだチャレンジャーだけど恐らく彼女自身は、実際に「きさらぎ駅」のある異世界から生還した純子の話に対して半信半疑だったと思う。

たった一日だけ異世界で過ごしてから元の世界に戻ってきたら7年の月日が経過していたという純子の話を本気で信じていたのだとしたら、大学生の春奈は人生を棒に振る事になるかもしれない行動を簡単には取れないはず。

つまり春奈は「そんな変な事が実際に起こる訳ない」という軽い気持ちで異世界に迷い込んでしまったのでしょうね。

前半の一人称視点は少し酔うかもしれない

この作品は純子の回想パートと春奈が実際に異世界に行くパートがあるのだけど、前半の純子が異世界に迷い込んだシーンは一人称(純子の目線)で構成されているので、ゲームっぽい演出に慣れていない人は少し酔ってしまうかも知れません。

たごやま
たごやま

私は一人称視点が苦手です。
まあ酔わなかったけど。

春奈が異世界に迷い込んでからは普通の視点になるので安心して下さい。

他の乗客はなぜ一緒に異世界に!?

異世界に行く方法は映画内で解明されていて、おじさんの場合はカップ酒を飲んで酔っていた様子から、偶然手順を踏んでしまったのだと考えられる。

若者三人組に関しては全員おバカそうだったので、降りる駅を何度も間違えている内に偶然手順と重なってしまったのでしょう。

明日香に関してはもしかすると塾帰りなどで疲れて眠ってしまって、という純子と似たパターンかな。

きさらぎ駅の世界はタイムループ!?

純子の回想までが元ネタで、春奈のストーリーは完全に映画オリジナル。

春奈は他に乗り合わせた乗客5人と一緒に「きさらぎ駅」に降りるのだけど、その時に他の乗客たちが純子から聞いていたとまったく同じ行動をとります。

どうやら「きさらぎ駅」が存在する異世界では完全なタイムループが繰り返されているようです。

どのようなイベントが発生するか知っている春奈は無敵状態なので救える命は全て救おうと奮闘するのだけど、結局は思い通りにいかない。

特にサラリーマンのおじさんは気の毒でした。

純子の回想ではケンシロウ(北斗の拳)に秘孔を突かれた悪党のようになってしまい、春奈の時はゾンビ映画のお決まりシーンの役回りで最後は「ギャーーー!」という断末魔の悲鳴を残し退場。

人生、なかなか思い通りに事が運ばないものですね。

でも純子の時に退場したはずのおじさんが春奈の時に復活していたという事は、また他の誰かが異世界に迷い込んだ時には普通に登場するという事ですよね。

おいも
おいも

そう考えると、おじさんに特に同情する必要はないのかな?

私の考察ではタイムループのシステムに組み込まれるのは、異世界で命を落とした人。
そして異世界での体験(記憶)がリセットされて「きさらぎ駅」に初めて迷い込んだ状態から再スタート。

何度でも復活できるという事は、肉体から離れた魂だけが異世界に迷い込むという事でしょうか?

でも失踪した人達は元の世界で神隠しに遭っている扱いだから最初は肉体ごと迷い込んで、一度命を落としてしまった後は魂だけの状態で無限ループ?

しかしラストを考えると、肉体は何度も復活すると考える方が合理的。

もしかすると肉体復活には回数制限があって、上限に達すると元の世界に帰る権利を失い完全に魂だけの状態となって異世界で住民登録される可能性が考えられます。

つまりプレーヤー側からモブキャラ側になってしまう。

もしこの考え方が正しければ、おじさんはそう遠くない内に営業車で登場するもう一人のおじさん(完全に異世界の住人)と同じような役回りになるかも知れませんね。

・・・やはり気の毒なので、何とかして酒酔いおじさんを元の世界に帰らせてあげて欲しいです。

鍵を握っているのは、エンドロール後に迷い込んだあの人物かな?

それにしても一体どういう理由でこの異世界は存在しているのでしょうか。
地獄のような場所だけど、もしかすると人間の心を試す実験場かも知れない。
間違いなく神か悪魔が一枚噛んでいるはず。

『きさらぎ駅』を配信しているサブスク

『きさらぎ駅』は複数の動画配信サービスで観る事ができますが、入会前に見放題対象か追加料金が必要なレンタル扱いかを確認してください。

奇妙な世界といえば『バイロケーション』も不気味系の作品。
もう一人の自分が存在する設定のホラー映画です。

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