
『嘘八百』あらすじ
店を持たず車一台で全国を走り回っている古物商・小池は、たまたま訪れた大阪の堺で良い腕を持ちながら現在はくすぶっている陶芸家・野田と出会う。
二人にはある人物に煮え湯を飲まされたという共通の過去があり、ひょんなことから千利休の茶器を利用して復讐をする絶好の機会を得る。
【見どころ】幻の茶器で大物鑑定士の目を欺けるか!?
骨董業界の必殺仕事人のような作品。
普段は冴えないけど、悪人を騙すと決めてからは凄腕に変貌するオッサン2人。
騙し騙されの世界で、誰が最終的に笑うのかという話。
【登場人物 / キャスト】冴えない中年2人が主人公
感想(ネタバレ含む) | 似た者同士の冴えない男たち
決まった住居を持たずに車中泊やホテル暮らしなのか、それとも一応は本拠地があるのか分かりませんが、小池という人物は古物商として全国を車で回って商売をしているようです。
(元?)奥さんとはどうやら同居はしておらず、娘の面倒を押し付けられた可能性大。
お宝を格安で手に入れた古物商・小池
娘のいまりと共に車で走行中の小池は大阪の堺で見つけた蔵のある家をアポなし訪問。
その時ちょうど帰宅してきた家主と思われる男性に案内され、蔵を見せて貰う事に成功。
蔵の中にちょっとしたお宝を発見した小池は、父親の趣味なので骨董品の事はよく分からないと言う男性に適当に嘘をでっち上げて蔵の中の骨董品をまとめて100万円で購入。
価値の有る物を安く買い叩くあくどい男・小池。
彼が目を付けたのは千利休の茶器。
しかし後になってもう一度確認してみると、完全な贋物であると気付く。
大急ぎで引き返し屋敷に乗り込むと、見知らぬ老人が一人で食事中。
贋物を古物商に売りつけた男・野田
小池に贋物を売りつけた男は、本当の住人である老人が留守番に雇ったアルバイト。
老人から男の居場所を聞き出した小池は、『土竜』という居酒屋へ急行。
そこで呑気に食事をしていた男の名は野田。
しかも騙し取った金をマスターや他の客と山分けしている。
実は全員がグルで、贋作のアイテムを作ったのも彼ら。
それぞれに紙や木箱、偽の書状を作るエキスパート。
でも何故かみんな悪びれた様子はない。
おそらくは、騙された方が間抜けなのだというスタンス。
野田は怒り心頭の小池の追及を適当にはぐらかしながら、最後はさり気なく逃走。
店のマスターに言われて大慌てで追いかける小池。
小池は無知な金持ちを騙したつもりだったけど、逆に獲物が掛かるのを待っていた詐欺グループの罠に自分から飛び込んでしまったという構図ですね。
騙し騙され、最後は仲良くすき焼きを堪能
野田は自宅のアパートに逃げ込み、そこへ小池が乗り込むと、何と娘のいまりがすき焼きを食べていた。
その後、野田の妻に促され普通にすき焼きを食べる小池。
ハッと我に返り、すき焼きを食べてる場合じゃないと立ち上がった小池に、今度はビールを薦める野田の妻。
いやいやだから・・・と言いつつ飲む小池。
大阪のおばちゃんのペースに完全に乗せられてしまい、結局いつの間にかコタツで眠ってしまう。

完全にリラックスしてるやん。
気が付くと、野田が一人ですき焼きの残りにご飯を混ぜて、おじやを堪能中。
誠治といまりはいつの間にかいなくなっていて、妻はスーツケースを持って出かける準備。
驚く野田に対して、誠治が一人前になるまで世話をするついでにアンタの食事を作っていたと衝撃の言葉を残して去っていく妻。
泣きそうな顔をして玄関で呆然としている野田の後ろで、おじやを頂く小池。
このシュールなシーンは結構面白かった。
野田は奥さんの事が大好きな様子。
冴えない中年二人が人生逆転に乗り出す!
アパートに取り残されたのは、冴えないおっさん二人。
実は二人には共通点があります。
二人ともある同じ人物に煮え湯を飲まされて悔しい思いをしていた。
小池はその経験を元に必死に目利きの勉強をしたのに対して、野田は今でもくすぶっている。
問題は野田なんですよ。
高い技術を持っているのに、トラウマを払拭できていない模様。
外を出歩く時のロングコート姿は似合っていてカッコ良いんだけど、家に戻れば冴えない中年。
妻が家出してしまい半泣き状態の野田に対し、
「いつまでもくすぶっていないで奴らを見返してやろう!」と、小池はある計画を持ち掛ける。
とにかく現状の小池と野田は本当は大きい事がやりたいのに、二人とも上手くいっていない。
そこで一発逆転をかけて手を組んだ訳ですよ。
結局、騙された方が悪い事になる世界
よく考えてみると、今回の作品は騙す側も騙される側も悪人。
最終的に科学鑑定をすると製作された年代が分かるみたいですが、こういうのってどれくらいの割合でやっているんでしょうか。
古美術の世界は奥が深くて魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)しているイメージ。
もし店に入っても、まず対応してくれているセールスマンを信用するかどうかの判断が難しい。
遺産相続で骨董品を受け継いだとしても、鑑定人の事を本当に信用できるのか常に疑心暗鬼。
よく工事業者から見積もりを取る時は複数の会社を比較した方が良いと言われますが、骨董品の鑑定はそれ以上かもしれません。
複数の業者全てに二束三文の値を付けられたら、ようやく納得出来る感じですね。
究極に運が悪い人は、全ての業者に騙されている可能性も否めませんが。
『嘘八百』という作品は悪徳古美術商を小池則夫と野田佐輔が必殺仕事人の如く痛い目に遭わせるのが見どころだけど、結局は贋作で相手を騙しているので二人も悪人なんですよね。
でも、相手は叩くとホコリの出る体だからお巡りさんに頼る事が出来ないのがポイント。
次回作でその形が完成する感じです。
表向きは冴えないオッサンだけど、裏の仕事になればカッコ良くなる二人(笑)
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