ダン・ブラウン原作の小説『ロバート・ラングドン』シリーズの4作目『インフェルノ』出版の際に、著者同意のもとで翻訳者たちを実際に地下に隔離して作業を行わせた実話から着想を得て構成されたフランス映画。
作品のメインストーリーはフィクションだけど、情報流出を防ぐために翻訳作業が密室で行われたという部分は実話に基づいているそうです。
監視されながら密室で作業が行われているのに、原稿がネット上に流出してしまったミステリー。
『9人の翻訳家』あらすじ
ミステリー小説「デダリュス」完結編の世界同時発売に向けて各国から9人の翻訳家が集められ、情報流出を防ぐために外部との接触を断ち細心の注意を払いながら作業が開始される。
しかし数日後、出版社社長の元に作品の内容をネット公開するという脅迫メールが届く。
【見どころ】犯人は天才
- 翻訳家たちの地下室での隔離生活は実話に基づいている
- フランス人の社長が理解できない外国語で堂々と会話する翻訳家たち
- 最後は犯人の目的が判明してスッキリ
【主要登場人物 / キャスト】拝金主義の出版社社長がターゲット
感想(ネタバレ含む)犯人の目的は何なのか?
9人の翻訳家たちは地下室で作業させられていて、インターネットが使用禁止でスマホも取り上げられ外部との連絡が出来ないけど、
- 個室が与えられている
- 各言語の新聞が毎日届く
- 毎日の作業時間や休憩時間は決まっていて、週一日は完全オフ
- ボーリング場やプールなどが完備されていて自由に使える
- 原稿は翻訳作業が終わると回収される
これだけを見ると働く環境として特に問題はないように思えます。
仕事が終われば地下室から解放される訳だし頑張ってくださいという話ですが、途中で事件が起きちゃったものだから現場は大混乱に陥ってしまう。
何者かが原稿をネット上に流出させて、出版社社長に脅迫メールを送り付けた訳ですよ。
原稿は常に社長がアタッシュケースに入れて持ち歩いているので最初は社長の自作自演かと思ったけど、自分で自分の首を絞めるような事をしても意味がない。
そうなると犯行を行えるのは著者本人しかいませんが、それはそれで意図が分からない。
ここからミステリーが展開されて行くのですが、過去と現在の話が交互に繋ぎ合わされていて見応えがありました。
翻訳家の他に怪しい人物を挙げると、社長のアシスタントをしているローズマリーという女性。
彼女は文学を愛していて、拝金主義の社長が嫌いだけどクビになりたくないので従うしかないという立場。
社長が油断している隙にササッとアタッシュケースから原稿を取り出してコピーすることは不可能ではないと思います。
もしローズマリーが犯人ならお金ではなく経営者の交代を要求するかも知れない。
「あいつ、ムカつくから辞めさせたろ。」
という理由で大胆な犯罪行為をするくらいなら他の出版社に転職するという選択肢もあるし、別にそこまでリスクを冒す必要がない。
やはり著者が怪しい・・・
「デダリュス」シリーズの著者本人は世間に自分の事を何も公表しておらず、正体を知っているのは社長だけ。
社長はこれまでずっと著者の正体が世間にバレないように配慮して隠してくれていた。
その関係性から考えると、著者が社長を困らせるような事をする理由がないですよね。
まあ社長の性格からして何かしら嫌われ要因がありそうだけど。
「あいつ、嫌いやから困らせたろ。」
という子供じみた理由で、脅迫事件を起こすのもおかしな話(笑)
最後は伏線が回収される
ラストを観終えて犯人の正体と目的が分かった後に思い返してみると、色々な疑問が解消されてスッキリします。
確かに気になるシーンは色々とあったんですよ。
その中で私が初見で明確に違和感を感じたのは、翻訳家たちは初対面のはずなのに一部の人たちがなぜか親しげにヒソヒソ話をしていたシーン。
当初は「ヨーロッパ人は打ち解けるのが早いな」くらいにしか思わなかったけど、あれもちょっとした伏線だったと後になって気付きました。
この作品は、全ての謎を知った上で再び最初から観ると大きく印象が変わります。
犯人の「正体」と「目的」が判明するタイミングが同時ではないのも上手く出来ていて、最後まで観ないと不完全燃焼になるのでラストまで頑張って鑑賞してください。
一つ気になった点を挙げれば、犯人は単独で犯行が可能だったはずなのになぜ他の人を巻き込んだのかという事。
犯人は天才なので、私のような凡人には理解できない何かしらの思惑があったのかも知れませんな。
映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』を配信しているサブスク
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