主人公のハロルドは真面目なサラリーマンなんだけど、お人好しという負け犬要素を持っている。
お人好しな性格の人は貧乏クジを引くと相場が決まっています。
藤原竜也が演じたカイジを見れば一目瞭然。
そもそもカイジの場合は、お人好しとは関係なしに本人がダメ人間というのが原因だけど。
ハロルドの場合は真面目に働いているのだけど、お人好し過ぎて周りに良いように利用されている。
友人であるはずの社長・リチャードにはいつも仕事で上手く丸め込まれて、さらに妻のボニーはリチャードと不倫関係(ハロルドは知らない)。
仕事では面倒事を押し付けられて、私生活では妻に文句も言えない小心者。
見方によっては、カイジとは別の意味でダメ人間かも知れませんな。
『グリンゴ / 最強の悪運男』あらすじ
勤務している会社をクビになると知った男が、社長と共に訪れた出張先のメキシコで狂言誘拐を計画。
かし何故か事態は思わぬ方向に進んでいき、麻薬組織や殺し屋に命を狙われてしまう。
【見どころ】貧乏くじを引くのはいつも“お人好し”
- 主人公はしょっちゅう貧乏くじを引くけど、とにかく悪運が強い
- 開き直った人間は強い!
- メキシコの犯罪組織は想像を絶する恐ろしさ
【登場人物 / キャスト】登場人物の多くが悪人!?
感想(ネタバレ含む)悪運の強さは大きな武器になる
主人公のハロルドは「正直者が馬鹿を見る」ということわざの典型例のような男。
言いたい事はあるし言おうとするんだけど、最後の最後でビビってしまって心の内に秘めるしかないという悪循環。
こういう人は、ふとしたきっかけで爆発してしまう危険性が高いタイプですよね。
そして実際に事件を起こしてしまったのだけど、きっかけがメキシコへの出張。
日常と違う状況は、いつもと違う行動をとるきっかけになりやすいという事ですかね。
ある日、ハロルドは知り合いから自分が勤務している会社が他社に買収されるという情報を聞き、社長であると同時に友人でもあるリチャードに確かめてみると、いつも通り上手く誤魔化されてしまった。
社長のリチャードという男が曲者で、自分の為なら友人だって利用してのし上がるという性格でハロルドの事はただのお人好しのバカとしか考えていない。
しかも奥さんと不倫中。
そしてリチャードと一緒に会社を共同経営しているエレインもかなりの性悪女。
とにかくどんな手段を使ってでも勝ち馬に乗ろうとするわけですよ。
もちろん正直者のハロルドの事をバカにしている。
こんな二人が経営している会社で働くお人好しな男・ハロルドは、共同社長二人に同行してメキシコ出張にやって来た際に、自分がクビになるという確信的な情報を得てしまった。
そして唯一の心の支えであった妻からも衝撃的な告白を聞いてしまう。
会社をクビになると知り、さらに妻の不倫を知った真面目な男は、もはや完全に開き直って暴走モードへ突入。
失うものが無くなった人間が、守りから攻めに転じた時ほど恐ろしい事はありません。
守るものが無いんだから、あとは攻めの一手で猪突猛進ですよ。
犯罪組織から指名手配されるハロルド
ハロルドが考えたのは、自分が誘拐されたと装って会社に身代金を出してもらう事。
でも、ケチな社長のせいで身代金を奪う計画は頓挫。
そして何故か地元の麻薬カルテル・ブラックパンサーに指名手配されてしまう。
実はハロルドが勤務している会社は製薬会社で、医療用の麻薬を取り扱っている。
その工場がメキシコにあって、ハロルドは在庫管理の責任者。
今まではメキシコの工場長がブラックパンサー側に横流ししていたんだけど、社長がストップをかけたせいで在庫管理の責任者であるハロルドが狙われる事になってしまった。
ただ、ブラックパンサーはハロルドが単なる社員で大した権限を持っているわけではない事を知らずに懸賞金をかけてしまった。
社長たちに同行していたというだけで幹部だと勘違いされた模様。
なんだか変な感じになってきた。
ハロルドは社長から身代金を奪いたい、麻薬カルテルは今まで通りブツを横流しして欲しい、社長は兄で元傭兵のミッチを雇って身代金を支払わずにハロルドを救出する魂胆。
話を整理すると、ハロルドを麻薬カルテルとミッチの両者が探している。
カルテル側に捕まると命の危険がある。
ビートルズ好きのボスの質問に対して返答を間違えると即射殺されてしまう。
まずビートルを否定した時点でアウト。
あとはどのアルバムや曲が好きかと細かく質問される。
逆にミッチに捕まると狂言誘拐がバレるので、どちらにしてもハロルドにとってはヤバい状況。
といってもハロルドはミッチの存在を知りませんけど。
何でこんな事になってしまったのでしょうか?
まずメキシコという国がヤバいという話です。
昔はコロンビアが悪名高かったけど、米軍の介入で現地の組織は壊滅したり外国に逃れるなどして、現在はメキシコの一部地域を支配する犯罪組織に警察や軍も手を焼いているのだとか。
戦車並みの装甲車や対ヘリ用のミサイルまで所有しているというのだから驚きですよね。
政治家が犯罪組織の撲滅を公約に掲げたら翌日に帰らぬ人になって発見されるとか、恐ろしすぎる。
警察の部隊が丸ごと犯罪組織側に寝返ったとか、政治家や司法関係者も買収されていたり、麻薬組織の構成員に元軍人がゴロゴロいるとか、一体どないなっとんねんという話ですよ。
そりゃトランプ大統領もメキシコとの国境に壁を作りますよ。
表向きは不法移民対策だけど、実際は他の目的もあったのではないでしょうか!?
この映画のブラックパンサーという組織がどの程度の規模なのかは分からないけど、ボスの家はかなりの豪邸なので、相当な力を有しているのは間違いありません。
ボスが言い放った「ここはメキシコだ。」
という言葉が意味深で、不気味です。
ただ、アメリカ人を手にかけると後々面倒だとも言っていたので、米国が介入するきっかけを与えないように細心の注意を払っているのかも知れません。
メキシコの麻薬組織に対しては、米軍特殊部隊がやってくるという話ですからね。
よりにもよって、そんな危険な国で事件を起こしてしまった哀れなハロルド。
どこまでもツイていない男ですな。
悪運も運のうち
誰かが窮地から脱した時に、その事を知ったライバルが「悪運の強い奴だ。」というセリフを言ったりしますが、今回はハロルドがその悪運の強い人物の役回り。
貧乏クジを引くのだけど、いつもギリギリのところで助かるんですよ。
麻薬組織に追われて、社長にヤバい男を送り込まれて、さらに麻薬取締局まで介入してくるカオスな状況でもハロルドはピンチをことごとく脱してしまう。
私は運の良い人と悪い人の差は、タイミングだと思うわけです。
タイミングが良い人が幸運を掴み、間が悪い人が貧乏クジを引く。
しかし神様は貧乏クジの中にも時々当たりクジを紛れ込ませてくれているのです。
それこそが悪運ですよ。
なかなか幸せにはなれないけれど、なぜか悪運だけは強い男・ハロルド。
神さまに見放されているわけではないという事。
幸運な人よりも悪運が強い人の方が大物になるイメージもあるけど、ハロルドはどうでしょうか。
失うものが無くなって開き直ったら何をするか分からない危険な男だけど、根が真面目ですからね。
今回の映画を最初はコメディだと思っていたのだけど意図的に笑わせようというシーンは無くて、どちらかというとサスペンスのジャンルなのかなと思います。
笑いを誘う間抜けキャラはいますけどね。
強いて言うとブラック・コメディというやつでしょうか。
私が思うに、本当にツイていない人間というのは別の映画に存在します↓
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