27歳にして癌になってしまった青年が主人公の作品ですが、陽気な親友のお陰で暗くならずに前向きに闘病生活を送る事ができます。
50%の生存率と聞いて、カジノなら最高だと答えた親友のカイルが素晴らしい。
周囲の支えのお陰でシリアスになり過ぎずコミカルなシーンもあって素晴らしい映画でした。
この作品は実際に病気を克服したウィル・ライザーという脚本家の実体験がベースになっています。
『50/50 フィフティ・フィフティ』あらすじ
ラジオ局に勤める27歳の青年アダムは病院の検査で5年生存率50%の脊髄癌であると宣告される。
周囲が一歩引いた態度で接するようになる中で変わらない態度で接してくれる親友や両親、セラピストの支えにより闘病生活を続けていく。
【見どころ】親友は前向きに生きる為に必要な存在
- カイルの存在はアダムにとって何よりも大きい
- アダム本人はポジティブ思考を心がけているので、観ていて気持ちが重くならない
- キャサリンはきっといい奥さんになれる(笑)
【主要登場人物 / キャスト】カイルのような友達が欲しい
感想(ネタバレ含む)カイルこそ心の友
主人公のアダムは27歳で癌になってしまい、ネットで生存率を調べてみると5年で50%というデータを目にします。
つまり5年以内に半数の人が亡くなってしまうという事。
キツイ話ですよ、これは。
しかし親友のカイルは、50%ならカジノに行けば大儲けできるという考え方でアダムを励ます訳ですよ。
確かに「生存率」を「勝率」に言い換えると、意外と悪くない気分になる。
半数は命を落とすけど残り半数は生き続けると考えると、案外「勝率」は高いかも知れない。
カイルは別に茶化すつもりで言ったのではなくて、親友のアダムを心配して少しでも元気になって欲しいという意図でカジノのたとえ話をしました。
親や兄弟などの血縁者は本気で心配してくれることが多いだろうけど、血の繋がらない人との関係において本当に信頼できる人物かどうかを見極めるには、自分が窮地に陥った時の態度を観察してみれば良い。
その点、カイルは本当に良い友人ですよ。
まさに親友、いや心友。
恋人のレイチェルなんて表向きはアダムを心配するフリをしていたけど、裏ではキリストみたいな長髪髭男と浮気していましたからね。
恋人が病気になって逃げ出したくなる気持ちはわかるけど、浮気はイカンよ。
職場の上司は腫れ物に触るような態度になっていたし、ピンチに陥っている人に対する態度でその人の人間性が分かりますよね。
あと大切なのは本人の考え方。
「人間はいつか必ず死ぬ。」
違うのは、早いか遅いかという事だけ。
アダムと同じ病室で抗がん剤治療を受けていた年配の男性が亡くなった時に、もう一人の治療仲間のオジサンが言った「心臓が止まっただけ。」というセリフには考えさせられました。
亡くなった人は病気を克服しようと必死に戦っていた。
負けたのではないし、逃げた訳でもない。
ただ体の機能が停止しただけの事。
病気に殺されたのではないという事を言いたかったのではないでしょうか。
「病は気から」という昔からの言葉があるように、こういう時は絶対に後ろを向いちゃいけない。
「治るんだ!」という強い気持ちを持って前を向いていれば結果は良い方向に進むはず。
カイルの存在は本当に大きい。
下品でスケベだけど、こっそり病気になった人との接し方に関する本を読んで勉強している素晴らしい男なんですよ。
実際に自分の友達だったら平常時はウザいだけだけど、心が折れそうな時には最高の支えになってくれます。
カイルがいなかったら、アダムは途中で自暴自棄をこじらせて変な方向に進んでいたかも知れない。
セラピストのキャサリンの存在も大きいと思うけど、やはりカイルですよ。
こんなにイイ奴、一生のうちで滅多に巡り合えませんよ!?
本来は暗く重くなりがちな内容の作品だけど、あの男のお陰でクスッと笑えるヒューマンドラマとして楽しめました。
映画『50/50 フィフティ・フィフティ』を配信しているサブスク
私は『50/50 フィフティ・フィフティ』を「U-NEXT」で視聴しましたが、宅配レンタルDVDサービスでも取り扱っています。
アダム役のジョゼフ・ゴードン=レヴィットと、カイル役のセス・ローゲンが共演しているクリスマス・コメディ映画も面白いのでオススメです。
『50/50 フィフティ・フィフティ』とは全く雰囲気が違う作品ですが、セス・ローゲンのバカっぷりは共通です。
ちなみにこの作品も同じジョナサン・レヴィン監督の映画。
関連記事 『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』あらすじ・感想
本記事とは全く関係ないですが、女版カイルのような存在が登場する作品もあります。
持つべきものはポジティブ思考の友人だという事を実感できるコメディです。
関連記事 『バッド・スパイ』あらすじ・感想