
公開年 : 2020年
上映時間 : 2時間 7分
監督 : 中野量太
キャスト : 二宮和也 / 黒木華 / 菅田将暉 / 風吹ジュン / 平田満 / 渡辺真起子 / 北村有起哉 / 野波麻帆 / 駿河太郎 / 池谷のぶえ / 松澤匠 / 篠原ゆき子 / 後藤由依良 / 妻夫木聡 ほか
『浅田家!』 登場人物(キャスト)
■ 浅田政志(二宮和也)
浅田家の次男。
専門学校の卒業の条件として「一生にあと一枚しか写真が撮れないとしたら」というテーマで選んだのは家族の写真。
■ 浅田幸宏(妻夫木聡)
浅田家の長男。
自由奔放な政志の事を陰で応援してくれる優しい兄。
■ 浅田順子(風吹ジュン)
看護師として一家の家計を支える浅田家の母。
■ 浅田章(平田満)
専業主夫として家庭を守る浅田家の父。
■ 川上若奈(黒木華)
政志の幼馴染み。
東京で暮らしている彼女の家に政志が転がり込む。
政志には大きな貸しがあるので、いつか責任を取ってもらおうとタイミングを窺っている。
■ 小野陽介(菅田将暉)
東日本大震災で親友を失くした大学院生。
所有者不明の写真の洗浄・返却のボランティアを通じて政志と知り合う。
■ 外川美智子(渡辺真起子)
小野が始めたボランティアを手伝うようになった姉御肌の女性。
■ 渋川謙三(北村有起哉)
震災で娘を失った地元の住人。
■ 姫野希美(池谷のぶえ)
政志の初めての写真集出版を手掛けた、小さな出版社の社長。
■ 内海莉子(後藤由依良)
震災で父親が行方不明になり、政志に家族写真の撮影を依頼した少女。
あらすじ | 家族との絆
写真家を目指す浅田政志は「家族」をテーマにした写真集を出版するも、当初は全く売れずに自信を失くしかけていた。
しかしある日、その写真集で写真界の芥川賞とも言われる木村伊兵衛写真賞を受賞し自信を取り戻す。
その後は「家族」をテーマにした写真を撮り続けるが、撮影した家族が東日本大震災で被災して以降、葛藤の日々が続き撮影から遠ざかってしまう。
感想(ネタバレ含む) | 写真を見ると一瞬で時間が戻る
実在の人物である浅田政志という写真家さんをモデルにした作品。
映画を観た限りでは随分と破天荒な人みたいだけど、家族の絆を大切にしている人間味あふれる人物という事も伝わってきます。
破天荒な次男を優しく見守る浅田家の面々
東京の写真の専門学校に入学して以来、2年ぶりに実家に戻ってきた次男の両腕には刺青が!
これはちょっと衝撃的ですね。
しかし内面は変わっていないという事を家族はみんな分かっていたからこそ、戻って来た次男をやさしく受け入れたのでしょうね。
特に看護師である母の言葉「感染症には気を付けなさい。」という部分が物語っています。
見た目が変わってしまっても中身は自分達が知っている政志のままだと見抜いていた。
そこはもう、家族だからこそですよね。
実在の人物をモデルにしているという事なので、本物の浅田政志氏をネットで画像検索をしてみると腕から肩にかけて本当に映画のような感じでタトゥーが入っています。
十代後半から二十代前半の時期に故郷を離れて都会に出て、染まっちゃったんでしょうかね。
でも浅田家の面々はみんな優しく政志を見守ってくれるわけですよ。
お父さんは専業主夫として家事を担当しながら政志を見守り続け、お兄さんは弟の将来を心配して就職の面接を手配してくれたりと、とにかく浅田家にとって政志は手のかかる子ほど可愛い的な存在なのかも知れない。
お兄さんの存在は特に大きいような気がします。
東日本大震災によって家族を失った人々
この作品は「家族」をテーマにして写真を撮る事を自分が写真家としてやりたかった事だと気付いた政志が大きな賞を獲得するまでが前半で、後半は東日本大震災によって家族を失った人々を目の当たりにした政志の心の葛藤が描かれます。
前半は少々コメディ要素があったけど、後半は人それぞれに感じ方が違うのではないでしょうか。
東日本大震災という未曽有の災害を目の当たりにして何も感じない人なんて誰も居るはずがない。
浅田家の関係者は被災しなかったけど、政志は自分が撮影した人達が被災した事を知った時から様子がおかしくなってしまった。
病気で長期間闘病していたとかなら覚悟を決める時間の余裕があるかもしれないけど、津波に呑まれたとか瓦礫の下敷きになったとか、本当に意味が分かりませんからね。
当時は現実なのか夢なのかも判断が付かない状況だったという人も多いと思います。
日本は災害大国なので大雨や地震を原因とする大災害がどこで起きても不思議ではないし、被災した経験が無い人はたまたま運が良かっただけ。
いずれは都市部で直下型の地震が起こるとも言われているし、日本に住んでいる以上はある程度の備えは大切です。
映画では震災後に自分達の家族が映った思い出の写真を探す人々が描かれていた。
ボランティアの人たちが収集して洗浄した上で展示・返却するという事が実際に行われていたそうで、自分達の思い出が詰まった写真を見つけて持ち帰る人たちは本当に嬉しそうだった。
この写真返却のボランティア活動をしていた小野陽介(菅田将暉)という人物も浅田政志氏同様にモデルが存在して、小田洋介さんという方だそうです。
写真というのは、その時の一瞬を切り取って残す事で何年たっても見返した時にすぐに当時にタイムスリップできる不思議なアイテムですよね。
思い出を閉じ込めるタイムカプセルのような感じ。
写真の中の時間は止まったままだけど、残った人たちはこれからも前に進まないといけない。
居なくなった家族や友達の写真を見る事によって、生きる勇気が湧いてきたりする。
目の前からは居なくなってしまったけど、写真を見ればいつでも会える。
そう考えるとスマホのカメラでも何でも良いので、何かあった時に備えて永久保存版の一枚を撮影しておいた方が良いかも知れませんね。
あと、タイマー機能を使ってみんなで映る事も重要です。
家族写真を撮る時にお父さんだけはカメラマン役をしている関係で映っていない事が多いみたいなので。
ところで、この作品の最後のシーンは・・・ちょっと悪ノリし過ぎな気がします。
まあ、ユニークな浅田家だから許されるという面もあるでしょうけど。
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