アニメ『君の膵臓をたべたい』あらすじ・感想 | 恭子が怒っている理由とは?

この作品は冒頭に「桜良のお葬式」のシーンで幕を開けます。
彼女がこの世を去ってしまった事が確定してから始まるという、最初から心が沈んでしまうスタート。

原作を知らない人の中には、もしかして治療法が見つかって病気が治るという前向きな内容の映画なのではないかと思う人もいるかも知れませんが、残念ながらそうではありません。
そんな安っぽい内容なら、ここまで人気が出る事は無かったと思います。

アニメ『君の膵臓をたべたい』の詳細情報
  • 公開年  : 2018年
  • 上映時間 : 1時間 48分
  • 監督   : 牛嶋新一郎
  • キャスト : 高杉真宙 / Lynn / 藤井ゆきよ / 内田雄馬 / 福島潤 / 田中敦子 / 三木眞一郎 / 和久井映見 ほか

アニメ『君の膵臓を食べたい』あらすじ

他人に興味が無くいつも一人で本を読んでいる“僕”は、病院の待合室で「共病文庫」と記された日記帳を拾う。
持ち主は同じ高校に通うクラスメイトの山内桜良。

家族と医師しか知らない彼女の病気を偶然に知ってしまった”僕”は、秘密を共有する仲となる。

最初は仕方なく付き合っていた桜良と交流を続けていく内に、“僕”の心の中に変化が生じ始める。

【見どころ】秘密の共有

  • 他人に興味がない春樹が、偶然知ったクラスメイトの桜良の秘密を共有する事に
  • 得体の知れない春樹が、桜良と突然仲良くなったことが気に入らない恭子
  • アニメ版は原作に準じていて、実写版はオリジナルの結末

【登場人物/キャスト】アニメ版はガム君の本名が分からない

  • 僕 / 志賀春樹(高杉真宙)
    他人と関わろうとせずに、学校ではいつも一人で本を読んでいる。
    盲腸の手術の抜糸で病院を訪れた時に桜良が落とした「共病文庫」の中身を読んでしまい、二人だけの秘密を共有する仲になる。
  • 山内桜良(Lynn)
    膵臓の病気のため余命宣告を受けている女子高生。
    “僕”のクラスメイトでもあり、病気の事を口外しないように依頼する。
  • 滝本恭子(藤井ゆきよ)
    桜良の幼馴染みで親友。
    天真爛漫な彼女の“保護者”を自認していて、“僕”を敵視するようになる。
  • 隆弘(内田雄馬)
    クラスの人気者の学級委員。
  • ガム君(福島潤)
    “僕”に対して気さくに話しかけてくれるクラスメイト。
  • 桜良の母(和久井映見)
    娘の死後、家を訪ねて来た“僕”に桜良の「共病文庫」を手渡す。

感想(ネタバレ含む)他人に興味がない“僕”

タイトルの通り桜良は膵臓の病気を抱えていて、医師から余命宣告を受けています。
ちなみに病名に関しては原作者曰く、架空の病気だそうな。

桜良は病気の事を周囲に隠していて、知っているのは家族と医師のみ。
友人達にも一切教えておらず、代わりに「共病文庫」を名付けた日記帳に色々と記している。

その日記帳を偶然にも“僕”が手に取り中身を見てしまった事から、桜良との関係が始まる訳です。

“僕”というのは主人公の少年なのだけど、この人物がまた変わり者で、今まで一度も友達が出来た事が無く、もちろん彼女もいない。
他人と接するよりも一人で本を読んでいた方が有意義に過ごせると考えている、ぼっちな男。

でも桜良との会話の中で、他人が自分の事をどう思っているのかを想像するのが趣味と言っていたので、全く人に興味が無い訳でもない。

本名が判明するのは物語の終盤。
何でしょうね、この変わった少年は。

「この人は自分に好意を持っている」、「コイツは自分の事を嫌っている」といった事を想像の世界に勝手に作り上げて楽しんでいる。
他人が自分の事をどう思っているのかを考えるのが好きというのは、結局は自分の都合の良いように物事を決めつけているだけの事。

協調性が無く一人の世界から抜け出そうとせず、もしかして自分に酔っているのかな?
最初はストーカー気質の危険人物なのかと思ってしまった。

でも実際は内向的であるというだけで、いい奴です。

ストーカーといえば隆弘ですよ。
アイツは善人の皮を被った粘着気質の男で間違いない。
元カノの桜良にしつこい性格と言われていたし、別れた現在でも桜良の家の周囲をうろついているし。

こういうタイプが変な事件を起こしたりするんですよね。

おいも
おいも

未練タラタラやないか。
しつこい男は嫌われるで。
もしかして巷を騒がせている通り魔って・・・


まあ違うとは思うけど。

生きる事とは、人との関わりを持つ事

“僕”とはまるで正反対で、友達も多くて天真爛漫な桜良にとって「生きる」という事とは人と交流して繋がりを持つ事。

その考え方で見ると、“僕”は生ける屍という事になりますね。
肉体は生きているのだけど心が死んでいる人。

でもそんな心を閉ざし気味の“僕”が桜良との交流を通じて、徐々に変わっていきます。

周囲を振り回すタイプの桜良と無理やりサポートさせられている“僕”といった構図なのだけど、“僕”の心の奥底に眠る感情が徐々に浮き上がってくる。

結局この少年は、桜良のような人間に憧れていたという事ですよ。
男女問わず友人が多く、誰とでも気軽に接することが出来る明るい性格の彼女みたいになりたかった。

象徴的なのが、いつもガムをくれようとするクラスメイトから初めてガムを貰うシーン。
いつもは不愛想に断っているのに、勇気を出していつもと違う行動に出てみた。
こういう小さな一歩の積み重ねが、自分を変える事に繋がります。

自分の中で難しいと思っていた事でも、実際にやってみたら大した事ではなかったという事が世の中にはいくらでもあります。
大切なのは一歩踏み出す勇気。

原作者の住野よるさんが伝えたいのはそういう事なのでしょうかね。

恭子は何故あんなに怒っていたのか

桜良にとって幼馴染みの関係で無二の親友でもある恭子。

でも病気の事を秘密にしているのは、どういう理由なのか。

桜良の考えでは、自分が余命宣告を受けている事を恭子に話してしまうと今までと同様に接して貰えなくなるのではないかという不安があった。

両親が自分に気を使い始めて好きな事を何でもやらせてくれるようになった、というのが関係しているのかも知れないですね。
つまり一番身近な家族が自分への態度を変化させてしまったので、親友の恭子も同じように変わってしまうのではないかと思ってしまった。

今までと変わらない接し方をして欲しいのに、自分の病気のせいで周囲の反応が変化してしまう事が怖かった。
桜良にとっては、それが何よりも悲しい事。

その点、秘密を知った後でも変わらずに接してくれる“僕”という人物は、彼女にとっては、有難い存在だったのでしょう。

恭子が桜良の病気の事を知ったのは、この世を去った後。
生前に桜良から秘密を打ち明けられていたら、部活もやめて学校もやめて一緒に・・・(涙)
と口走っていたので、黙っていて正解だったと思う。

もし話していたら桜良が望むいつもの恭子ではなくなっていたという事になりますからね。
部活も辞めてほしくないし、変に気を使って欲しくない。
いつも通り接して欲しいのに、それが叶わなくなるところだった。

ただ病気の事を黙っていた影響で、親友の桜良と協調性なしの不愛想なアイツがなぜ仲良くしているのか理解できなくて、思いっきり“僕”を敵視していた恭子。
もう完全にヤバい男に親友が騙されていると思い込んで、今にも“僕”に殴りかかりそうな勢い。

理由が分からなくて恭子はイライラしていただけなので、最後のシーンを観た限りでは決して悪い人ではないと思います。

彼女が怒っていた理由は、桜良が理由も言わずに親友の自分よりも“謎の男”を選んだ事が気に入らなかっただけという事。

おいも
おいも

まあ、恭子の気持ちも分からなくもないけどね。

アニメ版よりも早く公開された実写版は、原作にはない12年後が描かれます。

恭子がなぜ春樹を敵視して怒っていたのかは、実写版を観ると分かります。

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