『騙し絵の牙』あらすじ・感想 | 大泉洋を主人公のモデルにした前代未聞の小説が原作

『騙し絵の牙』の詳細情報

公開年  : 2021年
上映時間 : 1時間 53分
監督   : 吉田 大八
キャスト : 大泉洋 / 松岡茉優 / 宮沢氷魚 / 池田エライザ / 斎藤工 / 中村倫也 / 坪倉由幸 / 和田聰宏 / 石橋けい / 森優作 / 後藤剛範 / 中野英樹 / 赤間麻里子 / 山本學 / 佐野史郎 / リリー・フランキー / 塚本晋也 / 國村隼 / 木村佳乃 / 小林聡美 / 佐藤浩市 ほか

『騙し絵の牙』登場人物(キャスト)

速水輝(大泉洋)
大手出版社の薫風社が出版している雑誌「トリニティ」の編集長。

高野恵(松岡茉優)
薫風社所属の編集者。
文芸誌「小説薫風」の編集者から「トリニティ」に異動し、速水の部下となる。

矢代聖(宮沢氷魚)
高野が注目している新人作家。

城島咲(池田エライザ)
人気ファッションモデル。

伊庭惟高(中村倫也)
急逝した薫風社の前社長の息子。

宮藤和生(佐野史郎)
惟高の後見人的な立場である薫風社の常務。

東松龍司(佐藤浩市)
宮藤とは対立関係にある薫風社の専務。

二階堂大作(國村隼)
薫風社と付き合いが長い大物作家。

江波百合子(木村佳乃)
薫風社の伝統ある文芸誌「小説薫風」編集長。

久谷ありさ(小林聡美)
出版業界の裏側に詳しい文芸評論家。

あらすじ | 大手出版社の権力争い

大手出版社「薫風社」の社長が急逝し、次期社長の座をめぐって権力争いが勃発。

社長の椅子を狙う改革派の専務が不採算部門の雑誌を次々に廃刊する大改革を進め、カルチャー誌「トリニティ」の編集長・速水はピンチを迎えながらも次々と奇策を打ち出し、売り上げ部数アップのために奔走する。

感想(ネタバレ含む) | 出版業界関係者たちの騙し合い

『騙し絵の牙』は最初から大泉洋をイメージして書かれた小説が原作になっていて、映像化に際しても当然だけど大泉洋が主演していて、ある意味で凄い映画です。

出版業界と大泉さんを4年間取材して作り上げた作品との事。

たごやま
たごやま

原作者は、どんだけ大泉さんが好きやねん!

実際に観終わった感想として、大泉さんが速水の役をやらなくても良かったのではないかと思うくらいに、おちゃらけた感じが消えていた・・・。

とはいえ、何を考えているのか分からなくて飄々とした雰囲気で底が見えない人物像は大泉さんならでは。

私は大泉さんのコメディチックな一面が好きなのですが、この作品は彼の別の一面を楽しめる仕上がりになっています。

結論としては、速水編集長の役は大泉洋しか演じられない独特なキャラクターという感じ。
まあ最初から大泉さんをイメージして「当て書き」された作品なので、そりゃそうか。

この作品の主演は大泉洋だけど、松岡茉優が演じる編集者の高野恵がもう一人の主人公のような立ち位置になっていて、どちら目線で観るかによって印象が変わってきます。

速水編集長(大泉洋)目線

過去にいくつかの職場を渡り歩いて来て、現在は薫風社の「トリニティ」編集長を務めている速水は基本的に自分はフリーランスの立場が性に合っていると考えていている人物。

会社や部下だけではなく上司であっても利用できるものは何でも利用して目的を達成しようとする速水という男は、ある意味で怪物のような存在。

俳優・大泉洋という人物も、北海道のローカルタレントから紅白歌合戦の司会を務めるまでになった怪物のような人ですよね。

大泉さんが演じる速水という男は出版界における怪物なのではないでしょうか!?

部下に対しても「みんなもどんどん会社を利用すれば良い」と説いているし、普通のサラリーマンとは全く違う価値観を速水は持っています。

今の職場をクビになったらまた別のところに行けば良いという渡り鳥のような考えで、とにかく面白そうなことがあればそちらを優先するようなイメージ。

こういう人は自分の能力に自信を持っているのでしょうね。

速水は他人に対して「信頼はするけど信用はしない」みたいなスタンスで隠し事も多々ある掴みどころのない役柄で、部下からも不信感を持たれています。

部下に何も教えずに勝手に動いてしまう人なので、もし自分の上司が速水のような怪しい人物だったら距離を置きたくなるのは当然。

でも速水編集長はそんな事は気にしないんですよ。
この人は自分が面白いと思う事をやっているだけだから。

この人は部下が自分に相談もせずに勝手に動いても、それが売り上げアップに繋がるなら何も問題が無いと考えている。

優先すべきは利益であって、協調性なんてどうでも良い・・・。

速水編集長はアメリカ人のような価値観を持っている感じですな。

働く目的は人それぞれだけど、速水の場合は「人生を楽しむ事」ですかね。

高野恵(松岡茉優)目線

文芸誌「小説薫風」からカルチャー誌「トリニティ」に異動してきた高野恵は、実家が小さな書店を経営していて昔から文芸に親しんできた女性。

「小説薫風」所属時代は担当の作家に対して遠慮なく意見を述べる若手編集者だった。

こういうキャラクターは映画ではなくて、地上波の連続ドラマの主人公によくある設定ですな。

「トリニティ」に異動して来てからは、怪しい男・速水編集長に振り回されっぱなし。
言い方を変えると利用されっぱなしという事。

でも彼女は自分の信念を持っている強い女性なので、逆に速水を出し抜いたり利用するようになったりする硬骨さを見せます。
途中から業界人としてだけではなく、人としても急成長する訳です。

間違いなくしたたかな女ですよ、この人は。

高野恵の人生哲学は「良いものは忖度なしに認められるべき」みたいな感じですかね。
大人の事情とか色々考慮すると、若い分だけ青い部分もあるけど行動力は速水に負けていないので、そう考えると高野恵も速水と同じ怪物系の人物という印象を持ちました。

「利用できるものは何でも・・・」が信念の速水の悪影響を確実に受けています。

速水編集長と高野恵の関係

速水と高野は上司と部下の関係だけど、信頼関係では結ばれていない。

速水は最初から「トリニティ」の売り上げ部数アップのために高野を利用していた。

高野は異動当初は速水を上司として見ていたけど、ある出来事がきっかけで単なる利害関係者という目線で見るようになったのではないでしょうか。
自分のネタを上司に横取りされた形になったので、そりゃ信用なんてできませんよね。

利用できるものは何でも利用する男の餌食になった反面、やられたらやり返す女である高野も黙ってはいません。

誰が味方で誰が敵なのか、誰を信用して誰を疑うべきか、騙して騙されて、利用して利用されて、この作品は結局誰が勝者になったのかというと、よく分からない。

一応はケジメをつけた終わり方をしたのだけど、成功して終わったというよりも新たな道筋が出来て終わったという感じ。

「ここから先をどう動くか」というところで終了したので、やられた者の反撃を続編で観てみたい気がするし、新たな道を進んだ者の行く末も気になるけど、続編を制作せずに終了という形でも構わない。

誰の目線で観るかによって印象が変わる、非常に興味深い作品でした。

原作小説
最初から主人公が大泉洋のイメージで書かれた小説。
出版業界を舞台に「騙し合い」、厳密には「出し抜き合い」が展開される話。

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映画『騙し絵の牙』を視聴する方法

サブスク(定額制)動画配信サービスではネット配信が解禁されたばかりの新作映画が見放題の対象に含まれる可能性は低く、視聴するには追加料金が必要な場合が多いです。

見放題対象に組み込まれるのは配信解禁から半年後くらいだと思います。

見放題対象になるまでは「レンタル」という扱いになります。

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