「時をかける少女」の原作小説が刊行されたのが1967年。
作者の筒井康隆先生いわく、自分こそがラノベ作家の元祖。
ラノベとはライトノベルの略で、一般の小説とどう違うのかというと実はその定義は曖昧。
若い世代をターゲットにした難しい表現をあまり使わない気軽に読める小説で、ジャンルはSFやファンタジー、それに恋愛要素が絡んできたりと10代が好みそうな内容の作品が多い。
このアニメ作品は原作から20年後の設定のオリジナル脚本です。
アニメ版『時をかける少女』あらすじ
高校2年生の紺野真琴は、偶然手に入れた「タイムリープ」能力を使って何度も時間移動を繰り返し、毎日を満喫していた。
ある日、「タイムリープ」に回数制限がある事を知り、そこから歯車が狂い始める。
【見どころ】原作から20年後が舞台
- アニメ作品なので幻想的な雰囲気で描かれている
- 魔女おばさんは原作小説の主人公
- 未来はの地球は、どうやらヤバいらしい
【登場人物 / キャスト】実写版の主人公・仲里依紗が真琴の声を担当
感想(ネタバレ含む)未来はどうなっているのか!?
紺野真琴は朝が弱くて遅刻ギリギリに学校に行って、放課後はクラスメイトの千昭と功介と一緒にキャッチボールをして遊ぶ活発な女子高生。
この三人の関係性が良いんですよね。
男2人と女1人だけど10代特有の健全な遊び仲間。
青春ですね。
ある日、自転車で勢いよく坂道を下っていた真琴はブレーキの故障で止まる事が出来ずに遮断機が下りている踏切に飛び込んでしまう。
・・・という事故を起こしてしまったはずなのに、電車に衝突する直前で意識が飛んでしまい気が付くとほんの少し前の坂道の途中に戻っていた。
状況を確かめてみると、恰幅の良いおばちゃんにぶつかって坂道の途中で転倒してしまった模様。
激怒するおばちゃんに謝った後、不思議な感覚のまま真琴は叔母の勤務先の美術館に向かう。
おばちゃんは「謝りな!」と相当怒っていたけど、双方にケガが無くて何より(笑)
そんな事よりも、一体何が起こったのかという話ですよ。
真琴は魔女おばさんと呼ぶ叔母が働く美術館を訪ね、彼女の作業部屋に案内される。
魔女おばさんは、絵画の修復師のようです。
そこで不思議な体験を話した真琴に、それは「タイムリープ」であると指摘する。
魔女おばさんいわく、真琴くらいの年齢の子にはよくある事だそうな。
そんな訳ないでしょうが(笑)
実は真琴の話を疑いもせずに冷静に聞いてタイムリープを体験したのだと言い放った彼女こそ、何を隠そう『時をかける少女』の本来の主人公・芳山和子。
この作品は何度も映像化されているけど、今回のアニメ版は原作から20年後の話。
魔女おばさんから具体的に何かを教えて貰った訳ではないけど、自分にタイムリープ能力が備わった事を知った真琴は、失敗した後に時間を遡るという事を繰り返して都合の良いように過去を改変しまくります。
といってもテストを受け直して100点をとったり、延べ10時間もカラオケを歌いまくるといったような、ドラえもんにひみつ道具を借りた時ののび太レベルの行動しかとらない。
所詮は高校2年生ですね。
大人がタイムリープ能力を得たら、大小違いはあれど何かしら犯罪に走るはず。
私なら間違いなく悪事を働きますけどね。
そんな真琴が調子に乗りまくっていたある日、実はタイムリープには回数制限がある事が判明。
そりゃそうでしょうに。
いきなり魔法使いになったつもりでいたみたいだけど、能力はれっきとした科学の賜物。
そしてジャンプできる回数に限りがある事を知って以降、色々と事件が発生する訳ですよ。
「タイムリープ」装置は未来人のもの
原作では2660年からやって来た未来人と和子の交流が描かれていたけど、今回の未来人がどの時代からやって来たのかは明らかになっていません。
- 川が流れているのを初めて見た
- 空がこんなに広いとは知らなかった
- 人がたくさんいて驚いた
どう考えても未来は破滅的な感じになっているとしか思えない。
- 川や湖が干上がってしまっている?
- 未来人は地上に住めなくなって地下で暮らしている?
- 人類の数は大幅に減少?
本人の口から未来がどうなっているのか具体的な説明が無かったけど、何にしても今とは全然違う世界になっているのは間違いなさそう。
タイムリープ装置は人間の体にチャージして使用するそうで、未来人が落としてしまった装置のエネルギーを真琴が偶然自分の体にチャージしてしまったという事。
この時代にタイムリープしてきた未来人の目的は、偶然にも和子が修復中の絵画を見る事。
魔女おばさんによると、この絵画は戦争や飢饉が発生している大変な時期に描かれた作品だそうで、未来人がこれを見に来た目的は何なのでしょうか?
未来は悲惨な状況だから、この絵画を見て何かを確かめたかったのか・・・。
仮に未来が破滅的な状況だとして、何が原因だったのでしょうか。
自然災害なら諦めもつくけど、戦争が原因だとしたらシャレになりません。
どちらの可能性も同じくらいの確率なのが怖い。
現在のところ地球の自然環境は悪い方向に一方通行で向かっているとしか思えないし、そんなに遠くない時期に核戦争が起こる可能性だって否定できないし、未来はあまり明るいとは言えませんね。
最後に未来人が真琴に「未来で待っている」というメッセージを伝えたのだけど、これはどういう意味でしょうかね。
真琴が自分の時代に来てくれるのを待っているというストレートな意味ではなくて、真琴に未来を変えて欲しいという意味なのかも知れない。
何百年経っても絵画を美術館で観賞できるような平和で明るい未来を創って欲しい、という願いを託したという事でしょうか。
この未来人が装置を使って自分の時代に帰った時に、真琴が何かしらのきっかけになって破滅的な未来から明るい未来に変化していたら良いのですけどね。
原作小説の主人公は魔女おばさん・芳山和子
原作本来の『時をかける少女』の主人公は芳山芳山和子。
彼女と交流のあった未来人は、いつかまた会いに来るという言葉を残して去って行ったという経緯があって、その言葉を信じて芳山和子は独身のまま待ち続けている様子。
原作は魔女おばさんが中学生の時の話。
アニメ版の声優の仲里依紗が主演の実写版 もあります。
役柄は魔女おばさん(芳山和子)の高校三年生の娘。
アニメとは設定が違います。
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