平凡に暮らしていたお爺さん達が突如年金の支給を打ち切られた事で、やむを得ず銀行強盗に手を染める決意をするコメディ作品。
おバカな若者みたいに行き当たりばったりで行動するのではなくて、綿密に計画を練った上で実行するあたりは年の功といった感じがします。
『ジーサンズ はじめての強盗』あらすじ
退職した会社が他企業に買収された関係で年金の支給が停止されてしまった元同僚で親友同士の高齢者3人。
家のローンが支払えなくなり差し押さえの期限が迫っていたジョーは、親友のウィリーとアルバートに年金資金を管理している銀行に自分達の金を取り戻すために強盗に入ろうと持ち掛ける。
【見どころ】高齢者が入念な準備の末に銀行強盗を実行
- 年金を停止されて経済的に困窮した“お爺さん達”が銀行強盗を決意する
- 3人の中ではアルバートが比較的常識人
- ラストは痛快な気分になる
【主要登場人物 / キャスト】3人ともオスカー俳優
- ウィリー・デイビス(モーガン・フリーマン)
腎不全を患っている事をジョー達に隠しながら強盗計画に参加する。 - ジョー・ハーディング(マイケル・ケイン)
娘と孫と一緒に暮らしている家が銀行に差し押さえられそうになり、親友のウィリーとアルバートに銀行強盗をしようと持ち掛ける。 - アルバート・ガーナー(アラン・アーキン)
ウィリーとジョーの親友で、友達想いの優しい人物。
感想(ネタバレ含む)主人公は80代のおじいちゃん3人組
銀行強盗はやむを得ずとは言っても計画に当たって指南役を雇いトレーニングを積んでからの本番なので、行き当たりばったりでグダグダにならずに最後は痛快なラストを迎えてホッとしました。
もちろんやった事は良くない事ですけどね。
同じ鉄鋼会社で約40年働いた末に退職して、現在は企業年金で細々と生活をしているウィリー、ジョー、アルバートの親友3人。
ウィリーとアルバートは同じ家に住んでいて、ジョーの家は道を挟んだ向かい側。
- ジョーは孫の登下校の付き添いをするのが日課
※孫の成長を見守るのが生きがい。 - ウィリーは体調に不安を抱えながら二人に内緒で通院
※実はウィリーにも遠くに住む娘と孫がいて会う事を楽しみにしている。 - アルバートは近所のスーパーに勤めるご婦人(未亡人)と恋仲になる
※ご婦人の方が積極的だけど、アルバートもまんざらではない。
いくら親友とはいえずっと一緒にいる訳ではなく、基本的にはそれぞれに自分の人生を送っています。
親友と一緒にいる時は毎日同じような話しかしないのに、一方で別の顔を持っているというのが長生きの秘訣かも知れませんな。
そんなお爺さん達のささやかな毎日が「年金支給の打ち切り」という形で壊されてしまう訳です。
年金が貰えなくなると住んでいる家のローンが払えなくなるジョーが、ウィリーとアルバートに銀行強盗をしようと提案。
「手っ取り早く大金を手に入れるために銀行を襲う!」という発想は間違っていないのかも知れないけど、高齢者でもこのような行動を起こせてしまうのが銃社会アメリカの恐ろしさ。
しかも三人とも80代という年齢ですよ。
人生は何歳からでも再出発できる
この作品を観て思ったのは、人生を諦めてはいけないという事。
ジョーは娘の元夫に、父親として再出発できるチャンスを与えた。
バラバラになった娘家族が再生できる機会を作ったカッコイイおじいちゃん・ジョー。
余命が短いと宣告されていたウィリーは、親友に病の事を話して臓器提供を受ける決意をする。
持つべきものは友達ですな。
そしてアルバートは80歳を過ぎて結婚。
初婚か再婚かは不明だけど、何にしてもめでたい!
とにかく何かを始めるのに遅いという事はない!
銀行強盗は遅い速いの問題ではなく、絶対にやっちゃダメですけどね。
この作品のお爺ちゃん達の爪の垢を煎じて飲ませてやりたくなる、おバカ大学生達の強盗映画「アメリカン・アニマルズ」と見比べてみて下さい。
関連記事 『アメリカン・アニマルズ』あらすじ・感想
結局3人は実際に強盗を働いてしまうのだけど、“おじいちゃん”だからと言って侮ってはいけない。
凄かったのはFBIに疑いをかけられた後の展開。
銀行で少しヤバい行動をとってしまったのだけど、アリバイ工作は完璧。
最後は少しピンチが訪れますが、アリバイ工作のシーンは本当に痛快。
指南役が良かったのでしょうね。
銀行は強盗に入られても保険金が下りるらしくて盗まれた金は補填されるそうな。
とはいえ銀行を襲うなんて絶対にやっちゃいけない事に変わりはないですがね。
ところで、主人公3人組も良かったけど「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク役で有名なクリストファー・ロイドが出演していたのが面白かった。
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映画『ジーサンズ はじめての強盗』を配信しているサブスク
『ジーサンズ はじめての強盗』は実はリメイク作品で、オリジナル版は1979年公開の『お達者コメディ/シルバー・ギャング』という映画。
オリジナルの「シルバー・ギャング」はしっくり来るけど、今作の邦題「ジーサンズ」というのはちょっとセンスがない気がします。
今作の原題は「Going in Style(ゴーイング・イン・スタイル)」。
堂々と(立派に)行こう。
といった感じの意味だそうですが、
堂々と強盗なんてしちゃいけません(笑)
それとも「堂々と生きよう」という意味かな?
原作はサブスクで配信していなかったけど本記事の作品は「U-NEXT」で視聴できました。
サービス名 | 月額料金(税込) | 同時視聴できる端末数 | 無料お試し期間 |
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