『人生スイッチ』あらすじ・感想 | キレて開き直って無茶をする人たちを描いた短編ストーリー集

『人生スイッチ』の詳細情報

公開年  : 2014年
上映時間 : 2時間 02分
製作国  : アルゼンチン・スペイン
監督   : ダミアン・ジフロン
キャスト : ウーゴ・シグマン / アグスティン・アルモドーバル / ペドロ・アルモドーバル / マティアス・モステイリン / エッシャー・ガルシア / フェリペ・フォティアデス / ヘラルド・ロシン 他

あらすじ | 些細なきっかけで人はキレる

アルゼンチン発、6つのオムニバスドラマで構成されるブラックコメディ。

ほんの少しのボタンの掛け違いが人間を狂わせる。

感想(ネタバレ含む) | キレた直後に笑っている人は要注意

この作品はアルゼンチンとスペインの共作映画。
ところで、アルゼンチンの国旗のデザインには太陽が描かれていますが、どうして目・鼻・口があるのでしょうか?
別に馬鹿にしているとかではありませんが、ふと気になったもので。

日本も含めて国旗に太陽が描かれている国は複数ありますが、顔がデザインされているのは他に同じ南米のウルグアイがあるみたいですが、価値観や文化の違いでしょうか。

まあ国旗のデザインはそれぞれの国の象徴であり、あまりいじると危険なのでこれ位にしておいて本題に入りましょう。

この作品は追い詰められた人間がキレたら、或いは開き直ったらどういう行動をとるのかという検証動画のような側面もあります。
という事で、色々とツッコミながら書いていきます。

『おかえし』厳密には仕返し!?

ある女性が、乗っている飛行機内で隣席の男性に声を掛けられる。
彼女は、自分はモデルの仕事をしていて今から仕事現場に向かうところだという。

対して声をかけた男性は音楽評論家。
取り扱うジャンルはクラシック。

それを聞いた女性がある事を思い出す。
昔付き合っていた男がクラシック音楽を専攻していた。
しかし才能に恵まれなかったのか、自作曲のコンテストには残念ながら落選。

評論家の男性が興味本位でその元カレの名前を聞いてみると、パステルナークという人物。
偶然にも当時、自分が審査員をしていて落選させた相手だった。

そしてパステルナークという名前に反応した人物が他にも多数。
学生時代の担任の先生や子供時代の親友など、全員が彼と何かしらの関係があった人たち。

さすがにCAさんは・・・と思ったら、彼女もパステルナークにデートに誘われて断ったことがあるそうで、パステルナークも同じ航空会社のCA。

つまりパステルナークの関係者ばかりが同じ飛行機に搭乗しているわけです。
これは偶然とは思えない、何か意図的なものを感じる。

周囲が困惑していると、CAさんからとんでもない報告がもたらされる。
・パステルナークが操縦室に入ったまま出てこない。
・呼びかけても機長の声が返ってこない。

完全にこれは、ヤバい事になります。
操縦しているのは十中八九パステルナークでしょう。
もはや誰も彼を止める事は出来ない。

最後は、やはりそう来ましたか(笑)

『おもてなし』入店してきた客は憎き親の仇

外では雨が降りしきり、客が一人もいない閑散とした郊外のレストラン。
ようやく入って来た客は、店で働くウェイトレスの女性にとって因縁の相手。

客の男は彼女の事を知らないみたいだが、彼女にとっては親の仇。
相手は悪徳高利貸しで、ヤツのせいで父が自ら命を絶つ選択をし、さらに父が亡くなった数週間後に母を誘惑した憎い男。

注文を取りに行った彼女にふてぶてしい態度で接する男。
完全に「お客様は神様やろが!」と思っている人間です。

注文を取って戻ってきたウェイトレスに厨房で事情を聞いた店主のオバハンは、料理に猫いらずを入れてやればいいと発言。
ネズミの駆除剤を混入しろという、とんでもない事を平気で言う店主。
このオバハン、目がマジです。

棚から本当に殺鼠剤を出す店主。
それをすかさず棚に戻すウェイトレス。
いくら憎い相手でも、やって良い事とそうじゃない事の区別はついている常識人。
問題はオバハンの方です。

悪人め、これでどうだい!(グサッグサッ)」

このオバハン何してんねん!

オバハン曰く、世の中で得をするのは悪人だけ。
まあ的を射ている部分はあるけれど。

『パンク』スピルバーグの「激突!」に通じるものがある

ドイツ製の高級車を運転中のエリートサラリーマン風の男は、前方をトロトロ走るオンボロ車を悪態をつきながら追い抜く。
暫く走行していると、運の悪い事にタイヤがパンクしてしまった。

修理業者を電話で手配するが時間がかかるようなので自分でスペアタイヤの交換を試みる。
作業に手間取っている内に先ほどの車が追い付いてきた。
そのまま通り過ぎてくれればよかったけど、運転手がタチの悪い男だった。

サラリーマンが車内に避難してやり過ごそうとするも、目の前に車を止めてやりたい放題。
「俺様をナメるとこうなるんだ!」と子供じみた下品な行動を連発。
追い抜きざまに憎まれ口を叩いたサラリーマンも悪いけど、この運転手は異常な男。

キレた人間というのは、何をしでかすか分からないという典型的なパターン。

そこからキレた者同士の醜い喧嘩がスタート。

スピルバーグ監督の『激突!』という作品と同じような砂漠地帯が舞台。
しかも異常なドライバーと、それにキレた相手というのも同様。

『ヒーローになるために』社会システムにキレた男

娘の誕生日に店でケーキを買っている最中に、路肩に停めた車をレッカーで持っていかれた男。
引き取りに行った先で文句を言うが、職員は事務的な対応しかしてくれない。
クレーマーの扱いは慣れているんでしょうね。

男は娘の誕生日に約束の時間に帰宅できなかった事で、妻にこれまで溜まりに溜まった不満をぶつけられてしまい結局離婚という話になってしまう。
失態を犯したのは今回だけじゃなかったらしい。

妻が言うには、いつも悪いのは社会の方で自分は悪くないという態度が気に入らない。
確かに今回も、車を停めていたのは違反エリアじゃないとか他にも色々と屁理屈をこねていた男。

交通違反の件で文句があるならココへ行って下さいと指示されて行った先でも、事務的な対応しかしてもらえず新聞沙汰になるほどの大暴れ。
様々なことが一度に重なってしまって、許容量を超えてしまった感じでしょうか。

お役所仕事に不満を募らせて我慢が出来なくなった。
日本でもたまにそういう人がいてニュースになりますが、外国は自己主張が激しい人が多い印象なのでスケールが違うんでしょうかね。

人というのは怒りが頂点に達すると何故か笑ってしまうんですよ。
面白いから笑うのではなくて、開き直って冷静になって無意識に笑顔になる。
しかし怒りの感情を内包したままなので、通常の状態に戻ったわけではない。
嵐の前の静けさ、壊れる直前の状態ですね。

そして、大胆な行動に出る男。

題名を見て誰にとってのヒーローなのかと考えてみましたが、同じように社会に不満を募らせていた人を代表して行動したという意味でのヒーローなんでしょうか。

『愚息』本当に悪いヤツは誰なのか

文字通り、愚かな息子が起こした事件のせいで大変な事態に。
金持ちのバカ息子が、父親名義の車を運転していて妊婦を轢いてしまった訳ですよ。

息子を甘やかして育てた両親は、息子が刑務所暮らしに耐えられるはずがないと長年雇用している庭師の男を身代わりにしようと画策。
もちろん、一生困らない額の報酬を払うという提案をした上での話。

ひき逃げの件はニュースでも報道されていて、どうやらお腹の子は助からなかったみたい。
母親は助かったみたいで、弁護士によると庭師は犯罪歴が無いのでおとなしくしておけば、どうやら1年半くらいで模範囚として出所できるそう。

この提案を受けた庭師。
社会的な非難に晒されるのは間違いないけど、お金の魅力に勝てなかったという事か。

でも今はネット時代だから想定している以上に精神的に追い詰められて、貰う報酬の額では割に合わないかも。

悪人は金で動くけど、民衆は正義で動く。

『HAPPY WEDDING』血まみれのウェディングドレス

人生の晴れ舞台、結婚披露宴が行われている最中に起こる悲喜劇。
幸せいっぱいの新婦が新郎に疑念を抱いたのは、招待客の一人の女性と親しげに話している姿を見た時。
実は事前に怪しいと思っていた新婦が新郎に直接問いただしてみると、ゴニョゴニョしながらも最後は自白。
これから一緒に幸せな人生を歩んでいこうと思っていた矢先の浮気発覚!

そもそも浮気相手なんて結婚式に呼ぶなよ。

新婦は怒り狂って会場を後にし、建物の屋上に行き着く。
絶望感で一杯の彼女は今にも飛び降りそうな勢い。
その時、声をかけたのが屋上でタバコ休憩をしていたコック。

彼女に、人生は前向きに考えなければいけないと色々と助言をして励ます。
目の前で飛び降りそうな女性がいたら誰でもそうするでしょうけど、グッジョブですね。

新婦はもう完全に開き直り、離婚する気満々。
開き直った人間というのは、もはや手が付けられない。
怖い物がない状態ですからね。
会場に戻り、後先考えずに大暴れ。

遅れて会場に戻ってきた新郎も、さすがにやりたい放題の新婦にキレて現場はカオス。
周囲の招待客たちは、どうして新郎新婦が揉めているのか知らない。

最終的にどう収まるのかと思っていたら、開き直った者同士でまた変な事に。
壊れたのか、修復されたのか。
題名 『HAPPY WEDDING』 を考えると、ハッピーエンドなのかもしれない。
逆に皮肉を込めたタイトルの可能性もありますけど。

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