『糸』あらすじ・感想 | 中島みゆきの名曲を映画化したラブストーリー

『糸』の詳細情報

公開年  : 2020年
上映時間 : 2時間 10分
監督   : 瀬々敬久
キャスト : 菅田将暉 / 小松菜奈 / 山本美月 / 高杉真宙 / 馬場ふみか / 倍賞美津子 / 永島敏行 / 竹原ピストル / 二階堂ふみ / 松重豊 / 田中美佐子 / 山口紗弥加 / 成田凌 / 斎藤工 / 榮倉奈々 ほか

『糸』登場人物(キャスト)

高橋漣(菅田将暉)
北海道の美瑛で生まれ育ち、地元のチーズ工房で働く青年。

園田葵(小松菜奈)
中学生の時に漣と運命的に出会ったものの、程なくして家庭の事情で離れ離れになった女性。

高木玲子(山本美月)
葵が生活費や学費のためにキャバクラで働いていた時の同僚。

冴島亮太(高杉真宙)
葵と玲子と共にシンガポールで事業を立ち上げた青年。

園田真由美(山口紗弥加)
葵の母。
男性依存症で娘よりも男を優先するダメ親。

竹原直樹(成田凌)
漣の幼馴染みで親友。

桐野香(榮倉奈々)
漣が働くチーズ工房の先輩。
後に二人は結婚。

高橋結(稲垣来泉 / 幼少期:中野翠咲)
漣と香の娘。

後藤弓(馬場ふみか)
中学時代の葵の親友。
直樹の最初の妻。

山田利子(二階堂ふみ)
直樹の二番目の妻。

富田幸太郎(松重豊)
漣のチーズ作りの師匠。

水島大介(斎藤工)
キャバクラ時代の葵と知り合い、交際するようになったファンドマネージャー。

村田節子(倍賞美津子)
美瑛で「子ども食堂」を運営している女性。

あらすじ | 平成最後の年に紡がれる糸

共に平成元年に生まれた高橋漣と園田葵は、13歳の時に北海道の美瑛で運命的に出会い惹かれ合う。

しかし事情があり、葵は一家で夜逃げ同然に突然姿を消してしまう。
漣は葵を探し出して駆け落ちを試みたものの、大人たちの手により二人の仲は引き裂かれる。

それから8年後、東京で親友の結婚式に出席した漣は葵と再会するが、彼女には交際相手がいて時の流れを痛感し失意のうちに北海道に帰る。

そこからまた時は流れ・・・

感想(ネタバレ含む) | 仕合わせと、幸せ

2021年11月15日に結婚を発表した、菅田将暉と小松奈々がW主演したラブストーリー。
この作品は二人にとって3度目の共演作で、交際のきっかけともなった作品だそうな。

中島みゆきの名曲「糸」の歌詞を題材にしていて、途中で何度か曲が流れます。

「糸」の歌詞を私が個人的に解釈したところでは、運命的に出会った二人が結ばれて最終的にどうなるのかという感じで、必ずしもハピーエンドとは限らない!?

縦の糸はあなた

横の糸は私

逢うべき糸に出会えることを

人は仕合わせと呼びます

※中島みゆき「糸」の歌詞より一部抜粋

“仕合わせ”という表現がまた意味深ですな。

これは運命の巡り合わせのような感じで、良い意味も悪い意味も含まれるみたいです。

出会いのきっかけは神様が用意してくれるけど、そこから先は当人たち次第という事でしょうか。

それにしても、漣(漣)葵(あおい)という二人の名前は平成の子っていう感じがしますね。

この作品は時空を超えて運命の二人が結ばれるファンタジーではなくて、平成元年に生まれた二人の男女の人生が描かれて、約30年の間に再会したりすれ違ったりして最終的にどうなるのかという話。

不幸な境遇の葵を心配する漣少年

仕合わせ(出会い)のきっかけは、漣と葵が中学生の時に開催された花火大会。
この時に二人は運命の出会いを果たして急接近するのだけど、葵は親に恵まれない環境にいる不幸な少女シングルマザーの母親とその交際相手の男に邪険にされていて、男からは暴力を振るわれているという状況。

娘が暴力を振るわれていても見て見ぬふりをする母親は、見ていて気分が悪くなります。
男がいないと生きていけない、母としてよりも女である事を優先する最悪のパターンですよ。

おいも
おいも

後ろで葵ちゃんが苦しんでいるのに、なに涼しい顔でマツ毛の手入れをしてんねん。
この母親、クズやな!

そんな葵の事情を知ってしまった漣少年は、彼女と一緒にどこかに逃げようと駆け落ちを画策するのだけど、所詮は中学生なので一晩で居場所がバレてしまい、警察と共にやってきたクズ親たちによって二人の仲は引き裂かれてしまう訳ですよ。

この時の漣少年のどうしようもない無力感。
せめて高校生だったらバイトをしながら何とかお金を貯めて、その後に計画的に行動できたかもしれないけど、中学生の思考では突発的に逃げるという選択肢しかなかったのかも知れないですな。

8年後に再会した漣と葵

駆け落ち騒動から時が流れて、21歳になった漣は東京で開催された親友の直樹の結婚式で葵と再会するのだけど、時の流れというのは残酷なもので、大学生になった葵はにヤリ手ファンドマネージャーの彼氏がいた。

生まれてからずっと美瑛で暮らしている漣と、紆余曲折を経て東京で大学生として暮らしている葵。

例の事件以来ずっと心に葵が存在し続けている純朴成年と、北海道から東京に行き着いた後も壮絶な経験をして現在に至る苦労人の女性。

13歳からの8年は人生においては精神面が大きく変化する時期だし、まして東京という街は人を変えてしまう魔境ですからね。

葵はクズ母からは離別して、大学生に進学して学費と生活費を工面するためにキャバクラでバイトをしていた時に現在の彼氏と出会った。

まあそれは良いとして、この時に付き合っていた株式トレーダーの彼氏は彼女をどう思っていたのか。
金銭的に援助をして自分のマンションで彼女と同居をする等、色々とサポートをしてくれるイイ人に見えるのだけど、最終的に手切れ金を残して姿を消してしまった。

葵にお金を残していったので彼なりに誠意を示したのかも知れないけど、結局は逃げたという事。

葵と彼氏との関係も仕合わせの一環のはずだけど、その“仕合わせ”が“幸せ”に変化しないというね、歌詞の中の縦の糸横の糸が紡ぐ逢うべき糸とは違った訳ですな。

逃げたトレーダーの彼氏は、運命とは関係のない普通の糸だった。

人と人の組み合わせというのは、難しいものですね。

さらに時は流れ・・・

その後、立ち止まる事を知らない行動派の葵はシンガポールでネイリストとして再出発。

この時もまた人間関係に翻弄されて、結局東京に戻って来る事になる葵。

この人は様々な人との巡り合わせは経験するのだけど、恋愛でもビジネスでも縦糸と横糸の関係がしっくり来る相手とは出会えない星の下に生まれてきたのでしょうかね。

平成最後の時に漣と葵の糸は・・・

葵の事ばかり書いてきましたが、美瑛に残ってチーズ職人として生きて行くことを決めた漣も結婚して子供をもうけて人並みの幸せを掴んだかに見えたのだけど、彼もまた残酷な運命に直面する。

チーズ工房で知り合った香との出会いは漣にとって仕合わせだったはずだし、二人の間に生まれた娘の存在が幸せなのは間違いないのだけど、漣にとって本当に逢うべき糸は違っていたという事かな。

平成元年に生まれた漣と葵という二人の男女の13歳から31歳までが描かれた今回の『糸』という作品だけど、結末はともかく、曲の使い方とかツッコミどころがいくつかあります。

葵の元カレの水島、漣と結婚したの二人については、ちょっと咬ませ犬感が漂います。

そして・・・

たごやま
たごやま

何で「時代」を中国語バージョンで挿入したんや。
普通に原曲を流しなさいよ。

観終わった後に良い気分で余韻を楽しめる仕上がりになっているので素晴らしい作品だとは思いますが、もう少し脚本的に捻ったところがあっても良かった気がします。

中島みゆきの「糸」の歌詞は縦の糸と横の糸を組み合わせて布が織りなされるという内容だから、最後は結ばれたというよりも、つむがれたといった感じなのかな。

結ばれるはゴールみたいな感じだけど、紡がれるはまだ物語は続いていくという感じ。

・・・でもなんか違うような気もする。

文学的な意味で考えると言葉って難しいですな。

ところで、水島氏はどこに行ったのでしょうかね。

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平成元年生まれの漣と葵が再会と別れを繰り返しながら、令和になる直前までの約30年間にどのような人生を歩み、最終的に二人の「糸」はどのようになったのかという話。

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名曲を題材にした作品といえば、1980年代に活躍したイギリスの男性デュオWham!(ワム!)の曲を題材にした映画で『ラスト・クリスマス』という作品があります。
『糸』と違ってファンタジー系です。

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