藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』あらすじ・感想 | 人生、勝たなきゃゴミだ!

カイジ 人生逆転ゲーム

主人公のカイジという男は、年齢はアラサーで職業はコンビニのアルバイト。
毎日をのらりくらりと適当に生きていて、もちろん彼女もいない底辺層。

最初は生活がギリギリだけど借金は無かったんですよ。
転落の始まりは過去に知り合いの借金30万円の保証人になっていて、借りた本人が失踪してしまったので肩代わりをせざるを得なくなってしまった。

この時点では単なるお人好しの印象。
とはいえ、保証人になった事は事実だし法的責任として肩代わりしなければならないのは当然の話。

しかし30万円の保証人になって2年後に300万円を支払えって・・・保証人なんかにはなるものではありませんな。
まあ金額は法定金利を大きく超えている、いわゆる闇金の利息だけど。

『カイジ 人生逆転ゲーム』の詳細情報
  • 公開年  : 2009年
  • 上映時間 : 2時間 10分
  • 監督   : 佐藤東弥
  • キャスト : 藤原竜也 / 天海祐希 / 香川照之 / 山本太郎 / 光石研 / 松尾スズキ / 佐藤慶 / 松山ケンイチ / 福本伸行 / もたいまさこ / 吉高由里子 / 鈴木亮平 ほか

『カイジ 人生逆転ゲーム』あらすじ

毎日を適当に生きているフリーターのカイジは、過去に借金の保証人になった人物が行方不明になった為に金融会社から支払いを要求され困惑していたところ、その金融会社の社長から借金を帳消しにできるチャンスを得る事が可能なゲームへの参加を提案される。

【見どころ】お人好しは身を亡ぼす

  • お人好しかつ自信がダメ人間の主人公カイジ
  • 帝愛グループが恐ろしすぎる
  • 香川照之が演じている利根川という人物が面白い

【登場人物 / キャスト】ダメ人間から抜け出せるか!?

  • 伊藤開司(藤原竜也)
    フリーターをしながら毎日自堕落な生活をしている男。
  • 遠藤凛子(天海祐希)
    帝愛グループ傘下の金融会社社長。
  • 利根川幸雄(香川照之)
    帝愛グループの幹部。
  • 船井譲次(山本太郎)
    カイジが「ギャンブル船 エスポワール」で出会った参加者の一人。
  • 石田光司(光石研)
    ゲーム参加者の一人で、カイジと意気投合した中年男性。
  • 大槻太郎(松尾スズキ)
    カイジたちが地下で労働する際に組み込まれたグループのリーダー。
  • 兵藤和尊(佐藤慶)
    帝愛グループの総帥(会長)
  • 佐原誠(松山ケンイチ)
    カイジが振り分けられた地下労働班の同僚。
  • 石田裕美(吉高由里子)
    石田の娘。
    父親の借金のせいで不幸な人生を送ってきた気の毒な人物。

感想(ネタバレ含む)理不尽なギャンブルゲームに参加するダメ人間達

「こんな大金返せない」と子供のように駄々をこねるカイジに、金融会社の女社長の遠藤が帝愛グループが大型船で開催するゲームに参加すれば借金が帳消しになるチャンスがあると教えてくれる。
これも債務者をゲームに参加させるための罠なんですが。

カイジは人生の一発逆転をかけてゲームへの参加を決意。

大型船「エスポワール」号で開催されるギャンブルゲームの参加者たちは、どいつもこいつも人生を適当に生きてきたダメ人間ばかり。

進行役の利根川からルール説明を受けても、甘ったれた考え方が抜けずに自分勝手な発言ばかり。

ゲームの参加者は全員が債務者。
借金額がいくらなのかは分からないけど、とにかくカイジ同様に自分の力では返済できない金額なのでしょう。

勝てば借金が帳消しになりエスポワール号からの下船が許され解放されるけど、負ければ地下の工事現場に強制的に送り込まれて働かされる。

利根川さんが言うには、
「今まで散々甘い考え方で何の努力もせずに生きてきた負け犬どもが現状から抜け出すには、リスクを背負わなければならないのは当然の事。」

学校を出て会社勤めをしていればとりあえず普通の暮らしができるはずなんだけど、このゲームの参加者たちは自堕落に生きてきた人間ばかり。
カイジは他人の借金を背負っただけとはいえ、本人は適当な性格なので他の参加者と中身が変わらない。

結局カイジはゲームをクリアしたのだけど、お人好し性を発揮してしまって地下帝国の建設現場にに送られてしまう。

「正直者が馬鹿を見る」という言葉を地で行く男・伊藤開司(カイジ)。

今の時代は逃げたヤツがのうのうと生きて、(保証人になってしまった等の)お人好しだけが辛い思いをしてしまう仕組みなのかも!?
残念な事だけど、“お人好し”というのも負け犬の条件の一つですかね。

今の世の中「逃げるが勝ち」!?

借金を他人に押し付けて逃げたりする奴って人としては最低だけど、要領は悪くないというか合理的な考え方なのかも。
まあ、自分に都合の良い考え方しかできないクズですがね。

ダメ人間にも2種類の人種がいて、要領の良い奴と金融業者に捕まってしまう要領の悪い奴。
今回のゲームには、要領の悪いタイプのダメ人間達が集められたという事。

ところで、自己破産をすれば保証人に請求が行くけど、本人は保証人への返済の義務が法的に消滅するそうで、保証人は債権者に債務(借金)を返済した後に、本人に金を返せとは言えなくなってしまう。

つまり自己破産した人は借金を返す義務がキレイさっぱり無くなってしまうのに対して、保証人はその人に変わって借金を負ってしまう。

最悪ですね。
保証人にだけはなるものではない。

カイジが保証人になった人物は自己破産ではなくて失踪したそうだけど、もしかすると他の金融業者に捕まってしまったのかも知れない。

地下帝国の建設現場に送られたカイジ

石田というオッサンを庇って連帯責任で地下帝国に送られたカイジは、土木作業に従事。

帝愛グループの会長である兵藤は地下に広大な自分の理想の帝国を作るという夢があり、その労働力とて借金を返せない債務者たちを働かせている。

帝愛グループは日本でも有数の大企業のはずなんだけど、広大な地下帝国は恐らく行政に内緒で作っている後ろめたい施設なので、表立って建設会社とかに依頼できないのでしょうね。

カイジはこの地下で借金を返すまで働き続けないといけない訳です。
ちなみに労働者には給料が支給され、月に一度だけ酒やつまみを購入できます。

借金を返すためにお金を貯めないといけないのに、ここの労働者はダメ人間ばかりなので給料を貰ったら当然のように酒を買って宴会を始めてしまう。

そしてカイジも根がちゃらんぽらんなので、同じ班のリーダーから缶ビールを奢って貰って口にするとタガが外れてしまう。
そして支給されたばかりの給料でビールと焼き鳥を購入。

このシーンで有名な名言が飛び出します。
キンキンに冷えてやがる、悪魔的だ~!

たごやま
たごやま

はぁ・・・このダメ人間が!

そして数十分後に自己嫌悪。
「やってしまった・・・」

このループこそが典型的なダメ人間のパターン。

保証人になった相手が逃げたとか関係なく、カイジ自身が最初からクズという事ですな。

ダメだこりゃ。

地下労働者に人権なんてものは最初から無いので、帝愛にとっての彼らは人間ではない。
世の中ダメ人間はいくらでもいるので、補充の利く存在。
まさに虫ケラ以下。

恐ろしい話ですよ。

ちなみに帝愛の会長は最後までカイジが参加したゲームの見学者の立場だけど、約束は守る人物。
ここが普通の人ではないところですね。
自分の都合が悪くなると現実を認めようとしない二流の権力者と違って、兵藤和尊という人物は本物の支配者というイメージ。

だからこそ、これだけの現実離れした組織を作り上げることが出来たのでしょうね。
もしかすると戦国時代だったら全国統一をしていたかもしれない。

部下に恥をかかされた時の対応で器の小さい部分も露見していたけど、全体的に観ると織田信長に似ているような気がする。

映画「カイジ」は全部で三部作

「カイジ」シリーズは三部作であり、続編があと二作品あるのでカイジがどうなるかは想像がつくと思いますが、とりあえず生き残ります。
ハッピーエンドなのかどうかは、なんとも言えません。
基本ダメ人間ですからね。

しかしお人好しで借金を背負ってしまって散々な目に遭ったけど、心は温かい男なのがカイジの魅力。
たまたま知り合っただけの石田のオッサンの為に本気で怒ったり、佐原と一緒に喜びあったりと仲間想いなんですよ。
まあダメ人間だけど。

少々我慢が足りない性格だけど、その辺を直せば何とか人生を立て直せるのではなかろうか。
マイナス要素としてはお人好しというだけで・・・

あっ思い出した、最初の方でカップルとすれ違った時に相手の彼女にキモイと言われて腹いせに周囲の高級車を蹴りまくってボディをへこませていましたよ、この男は。
やっぱりクズですわ。

しかもそのへこませた高級車のが、帝国金融の遠藤社長の車(笑)
後になって遠藤社長から車の修理代をきっちり回収されるカイジ。
ただボディがへこんだだけなのに100万円越えとは、さすが高級車。

次回作 『カイジ2 人生奪回ゲーム』

なんだか分からないけど2作目で再び借金まみれになっている男・カイジ。
成長していないという事でしょうか。
まだダメ人間のループが続いていますね。

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