『散歩する侵略者』あらすじ・感想 | 斬新な方法で地球侵略を狙う宇宙人

『散歩する侵略者』の詳細情報

公開年  : 2017年
上映時間 : 2時間 9分
監督   : 黒沢清
キャスト : 長澤まさみ / 松田龍平 / 高杉真宙 / 恒松祐里 / 前田敦子 / 満島真之介 / 児嶋一哉 / 光石研 / 東出昌大 / 小泉今日子 / 笹野高史 / 長谷川博己 ほか

『散歩する侵略者』登場人物(キャスト)

加瀬鳴海(長澤まさみ)
夫の異変に戸惑うフリーのイラストレーター。

加瀬真治(松田龍平)
突然人が変わったようになった鳴海の夫。

天野(高杉真宙)
自称宇宙人の奇妙な若者。

立花あきら(恒松祐里)
ある事件の後に行方不明になっている少女。

桜井(長谷川博己)
ある事件を取材するためにやって来たジャーナリスト。

あらすじ | 学習する宇宙人

夫が数日間の行方不明の後に戻ってきた加瀬夫妻。
妻の鳴海は夫の真治が別人のように穏やかな性格になった事に戸惑いながらも、日々の生活を続けていく。

やがて二人が住む地域で不可解な事件が頻発し、真治の口から耳を疑う言葉を聞かされる。
「俺、宇宙人なんだ。」

感想(ネタバレ含む) | 宇宙人とのシュールなやり取り

数日間消息不明だった夫が帰宅したかと思えば、以前とは人格が変わったように穏やかな性格になっていた。

夫の真治は雑誌を逆さに読んだり、まともに歩くこともままならない。
どうやら鳴海は真治がわざとおかしくなったように装っていると疑っている様子。

まともに歩けないって、普通じゃありませんね。

もともと加瀬夫妻は夫婦仲があまりよろしくなかったようで、夫の真治には浮気疑惑があったほど冷え切っている二人。
でも今の真治に鳴海が不満をぶつけても、理解できないようなそぶり。

普通に考えたら医師の診断通りか、妻と離婚する為の演技のどちらかと思うでしょうね。
帰宅して家にいる時も、聞く事や見るもの全てが理解できていないような真治。

言葉は普通に話せているけど、相手の言っている意味が分かっていない。
客観的に観たら医師の診断が正しいけど、鳴海はまだ演技だと疑っていてイライラ。

真治は鳴海に、分からない事だらけなので自分のガイドになって欲しいと話す。

早い話が補助者になって欲しい、遠回しに介護してくれと言っているようにも聞こえる。
さすがに食事とかは補助不要だけど、他の物事が理解できない真治に頭を抱える鳴海。

これはしんどいでしょうね。
中身がほぼ別人になって戻ってきて、尚且つ日常生活もままならない。
妙な事ばかり言うし・・・

自称宇宙人のガイドになったジャーナリスト・桜井

同じ頃、ジャーナリストの桜井は天野と名乗る青年に声をかけられる。
青年は自分は宇宙人であるという奇妙な事を言い始める。

半笑いで聞いていた桜井に対し、天野は自分のガイドにならないかと提案。

ガイドといえば真治が鳴海に頼んだ、あのガイドでしょうか?

桜井は興味本位でガイドになる事を承諾するけど、まだ宇宙人という言葉は信じていない。
まあ信じる方がおかしいですが。

真治は日常生活について色々教えて欲しいというガイド、天野は車の運転や道案内とかのガイドを求めているようにも思える。

この自称宇宙人たちはある意味、幽霊みたいな存在でしょうか。
別の生命体に乗り移る事で行動が可能になるみたいです。

天野は今の体に憑依した後に両親から色々な概念を奪ったので、真治と比較すると様々な事を知っている。

概念を奪うというのは学習するという事ですかね。
分からない事柄があれば、それを奪って自分の知識として取り込むシステム?

恐ろしいのは概念を奪われた人はそれを失うという事。
コピーではなく切り取り。

そもそも概念て知識の事ですかね?
なんだかよく分からないけど、同じようで少し違う気もする。

そして天野の話によるともう一人仲間がいるという事だけど、どう考えても一人しか思いつかない。

愛の概念の奪取を試みる宇宙人

その頃、真治と鳴海はスーツ姿の怪しい集団に追われていた。

鳴海の仕事先の会社の社長をおかしくした犯人として真治が浮上し、恐らくは国家権力と思われる集団が尾行を開始。

とりあえずスーツ集団からは逃れたんだけど、自分達が結婚式を挙げた教会を見つけて入ってみる加瀬夫妻。
この頃になると鳴海の態度が徐々に柔らかくなっていて、穏やかな性格に変わった真治に対して好感を持つようになっている。

宇宙人になる前の真治は浮気三昧で夫婦仲も冷え切っていたという話なので、むしろ現在の真治の方が鳴海にとって理想に近いのかも知れない。
そして、何も知らない真治を再教育しようとしているような思惑も感じる。

もしかすると鳴海は絶好のチャンスと捉えているのかも知れない。

教会の中で椅子に腰かけて思い出に浸っている鳴海を置いて奥に入って行った真治は、賛美歌を歌っていた子供たちに愛とは何かと問いかけるけど、相手は子供なので薄い答えしか返ってこない。

そして今度は牧師さんに愛について説明を求めてみると、聖書に載っているような当たり障りのない事しか言ってくれない。
結局、例の能力を使うことができなかった。

さすがに愛は様々な概念の中で究極の部類ですからね。
簡単にイメージできるものではないし、それぞれに形が違う。
決まった形がないので誰に聞いても全員が違うイメージを持つのが愛というもの。

私は何を偉そうに愛を語っているのでしょうか(笑)

遂に三人の宇宙人が集合

桜井は宇宙人に協力しながらも、目的は阻止したい様子。
ジャーナリストとしての好奇心に負けてしまってガイドを引き受けたけれども、地球人としての葛藤があるのでしょうか。

宇宙人の三人は結局顔を合わせるんだけど、会ってすぐに鳴海が真治を強引に車に乗せて走り去ったので、特に会話はなかったけど、あの一瞬で入手した概念を共有化したらしい。
今後についてもテレパシーのような能力で会議済みとの事。

どうやら作戦に変更はない模様。
ほんの一瞬で作戦会議が終了。
これはもう、地球人が太刀打ちできる相手ではありませんな。

予定を変更する気はないけど、真治は二人の仲間より鳴海を優先。
そんな事よりも、車の運転は出来るんやね。

ところで、宇宙人たちには、おそらく痛みという概念が無い。
真治は散歩中に野犬に噛まれても平然としているし、あきらはパトカーの窓を割って血が出た自分の腕を見て不思議な顔をするし、乗り移った人間の神経の感覚までは受け継がないのでしょうか。

でも鳴海の作った食事をおいしいと言って真治が食べていたので、味覚はある。
なぜか痛覚だけが機能していない。

痛みという概念が無いので、それを避けるための行動をしない。
だから平気で車の前に飛び出してしまう。
痛みを避けるには恐れるという概念が必要で・・・
その辺に関する概念はまだ奪っていないみたいですね。

真治が鳴海から奪った概念

この映画は結果的に隠された要素がいくつかある状態で終了します。

私の解釈では、ラストの展開は真治が鳴海から得た概念を他の仲間たちと共有したのが原因で、宇宙人の中に変化が生じたのではないかと思います。

実際は描かれていないので真相は分かりませんが。

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