『ブラック・フォン』あらすじ・感想 | 主人公の成長が主題なので犯人の動機は考察の意味がなさそう

サイコキラーに監禁されている少年に、部屋にある電話線が繋がっていない黒電話から助言の電話がかかってくる。

少年は謎の助言をヒントにして徐々に脱出に近付いて行くという、ゲーム要素のあるホラー映画。

『ブラック・フォン』の詳細情報
  • 公開年  : 2021年
  • 上映時間 : 1時間 47分
  • 製作国  : アメリカ合衆国
  • 監督   : スコット・デリクソン
  • キャスト : イーサン・ホーク / メイソン・テムズ / マデリーン・マックグロウ / ジェレミー・デイヴィス / ジェームズ・ランソン 他

『ブラック・フォン』あらすじ

子供の連続誘拐事件が発生しているコロラド州の小さな町で、気弱な少年フィニーが謎の男に誘拐される。

気が付くと地下室に監禁されていて、周囲を見渡すと電話線が切れている黒電話があった。

【見どころ】オカルト要素があるサイコサスペンス

  • グラバーの被害者たちがフィニーに黒電話を通じて助言をしてくれる
  • グウェンドリンの予知夢を見る能力
  • グラバーの目的は謎

【主要登場人物 / キャスト】犯人は二重人格?

  • フィニー・ブレイク(メイソン・テムズ)
    学校でいじめに遭っている気弱な少年。
  • グウェンドリン・ブレイク(マデリーン・マックグロウ)
    フィニーの妹で、予知夢を見る事ができる。
  • グラバー(イーサン・ホーク)
    謎の誘拐犯。

感想(ネタバレ含む)犯人の動機が分からない

“グラバー”と呼ばれる人物に誘拐された少年フィニーが地下室に閉じ込められて、そこからどうやって脱出するのかという話だけど、断線している黒電話が鳴って脱出のヒントを与えるゲーム的要素が興味深かった。

電話をかけてきたのはフィニーよりも前にグラバーの被害に遭った子供達。

電話の主たちは監禁されていた部屋から脱出しようとそれぞれに足搔いて力尽きたという経緯があって、自分達がグラバーについて得た情報や監禁部屋の特徴をフィニーに伝えてくれる。

フィニーに情報提供してくれるのはいわゆる霊だけど、ホラーではなくどちらかというとファンタジー的要素が強かった。
これは霊が主人公の味方だったからという事が大きいのだと思います。

グラバーにやられた子供達がそのまま悪霊になっていたらフィニーは助からなかったけど、ギリギリ生前の人格が残っていて良かった。

どうやら霊になると最初に失うのが自分の名前らしく、被害に遭ってから時間が経っている霊は記憶が曖昧な部分が多かった。
最初に名前を忘れてしまう設定は面白いですね。

この世に留まっている内に色々な事を忘れて行って、何もかも忘れたら魂の浄化が終わって天に昇るという感じでしょうか。
被害者の中にいわゆる悪ガキがいたのだけど、もしかしたら地獄に堕ちる可能性もあるのかな?
でもフィニーに情報提供をしたので、評価が変わって天に行けたかも知れない。

魂の行方に関する描写は映画内では描かれていませんけどね。

犯人は弟と一緒に住んでいて、犯行は弟に隠していました。
私は最初、犯人は“サイコキラー”と”普通の人格”の二つの顔を持った一人の人間で、兄弟なんていないのだと思っていた。

不気味な仮面も、“顔全体を隠している時”と“半分素顔を見せている時”があって、これも二重人格と思わせる演出だったのかも知れない。

そう考えると、なかなか巧妙な脚本です。

そもそも顔全体を隠している時と半分素顔の時の違いって、一体何だったのだろう?

たごやま
たごやま

・・・気分かな?

この作品で重要となるのは黒電話を通じて得る事ができる過去の被害者からの情報と、フィニーの妹が見る予知夢。

まあ予知夢は間接的に役立っただけで、黒電話からの情報が重要ポイント。

何といっても黒電話からは脱出するためのヒントをダイレクトに得られますからね。

時代が1978年なので携帯電話も無くてGPSも使えないし、断線された黒電話を通じて被害者からメッセージを貰うオカルト設定がないとフィニーが助かる可能性なんてゼロに近い。

妹の予知夢も良いところまでは行くのだけど、恐らく黒電話がなかったらフィニー少年は絶体絶命だったはず。

黒電話を通じて情報提供していた被害者達のほとんどは、フィニーを助けたいというよりもグラバーに復讐をしたいという思いの方が強かったのではないでしょうか。

『ブラック・フォン』のテーマは気弱な少年の成長

この作品のメインテーマは少年の成長でしょう。
それなら最初はイジメられっ子だったフィニーが徐々に強くなっていって、最後は逞しく成長する部分に納得できます。

冒頭とラストでは別人と言っていいほどにフィニーの雰囲気が変わり過ぎているのが興味深い。

たごやま
たごやま

少年というのは、短期間でかくも成長するものなのか。

もし犯人の残虐性がテーマなら結局何が目的で事件を起こしていたのか曖昧でハッキリと描かれなかったので中途半端すぎる。
私の結論としては、グラバーは少年の成長のための単なる引き立て役だったと思う。

だから犯人の動機とかは特に考察する必要がない気がする。
ただのサイコキラーだったというだけの話ですね。

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本記事の映画の原作者はジョー・ヒルという人で、父親がスティーブン・キング。

父親の作品では『It / イット』が有名ですが、何となく息子の作品も似たテイストを感じました。
ある程度の影響は受けているでしょうね。

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