『鑑定士と顔のない依頼人』あらすじ・感想 | ラストは因果応報とも思える

年の差カップルの恋愛映画と思ったら、様々な伏線が張られているミステリー作品でした。

最初に観た時と、展開を知った上で2回目に観た時とでは大きく印象が変わります。
2回目以降の鑑賞で様々な伏線に気付く人が多いのではないでしょうか。

この作品を観終えた後に『マッチスティック・メン』にそっくりだと感じたのは私だけではないはず。

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『鑑定士と顔のない依頼人』の詳細情報
  • 公開年  : 2013年
  • 上映時間 : 2時間 11分
  • 製作国  : イタリア
  • 監督   : ジュゼッペ・トルナトーレ
  • キャスト : ジェフリー・ラッシュ / ジム・スタージェス / シルヴィア・フークス / ドナルド・サザーランド 他

『鑑定士と顔のない依頼人』あらすじ

一流の鑑定眼を持つ老鑑定士ヴァージルの元に、若い女性クレアからの鑑定依頼が舞い込む。

屋敷の自室に籠り姿を見せようとしないクレアと壁越しに交流していく内に、ヴァージルは彼女に心奪われ惹かれていく。

【見どころ】2回目の鑑賞はガラッと印象が変わる

  • 騙されてはいけないのが、主人公は決して善人という訳ではない事
  • セリフや美術品に注意していると色々と気付く点がある
  • 誰と誰が繋がっていたのか判断が難しい

【主要登場人物 / キャスト】ヴァージルはビリーの絵を酷評

  • ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)
    腕利きの老鑑定士。
  • ロバート(ジム・スタージェス)
    ヴァージルが頼りにしている機械修理が得意な職人。
  • クレア・イベットソン(シルヴィア・フークス)
    ヴァージルに亡き両親の遺品の鑑定を依頼した若い女性。
  • ビリー・ホイッスラー(ドナルド・サザーランド)
    ヴァージルと組んで価値のある美術品を格安で落札する役目を担う男。

感想(ネタバレ含む)そう来たか、という感じ

老紳士と若い女性との恋愛映画と思いきや、どんでん返しが待っていました。

壮大な仕込みの末に行き着くラストの展開。

これは、やられましたよ。

主人公は美術品鑑定士のヴァージルという男で、60代後半から70歳くらいでしょうか。

超一流の鑑定眼を持ち本物を見極める事ができる優秀な人物なのだけど、その能力を使って価値の高い美術品を仲間と共謀して格安で落札してコレクションするという、あくどい一面を持っています。

美術品の値段なんて有って無いようなものだけど、それでも価値があるのが分かっているのに安く鑑定して自分が買い取る手法は完全に詐欺師の手口ですよね。

しかも傲慢な性格で嫌な感じのオッサン。

そんなヴァージルが若い女性クレアと恋に落ちて、人生初の恋愛にのめり込んで性格が変わっていきます。

恋は盲目と言いますが、仕事も手につかない位に頭の中はクレアの事でいっぱい。
多くの人が若い時に歩むであろう初恋という道をシニア世代になってから初めて通る訳です。

私は前知識のないまま作品を観たので、クレアは幽霊なのではないかとオカルト的な感じに考えていたのだけど全然的外れでした。

この作品は老紳士と幽霊美女とのロマンチックなラブストーリではありません。
ジャンルとしては、ある意味でホラーなミステリーです。

一度観ただけでは気付かない伏線が色々ある

『鑑定士と顔のない依頼人』の中に散りばめられている伏線(仕込み)を理解するには何度も観返して確認するしかありません。

作中に気になるセリフがいくつが出てきますが、
いかなる贋作の中にも必ず本物が潜む
という言葉の意味は、注意深く観察すれば何かしら痕跡が見つかる。

自分の技術をアピールしたいのか、他に何か目的があるのか、贋作製作者からのメッセージを読み解くことが重要であるという事ですね。

贋作師からのメッセージとは、鑑定士への挑戦状みたいなものでしょうか。

セリフだけではなく、クレアの屋敷にある鑑定依頼品にも様々な伏線が散りばめられています。

その中の一つがからくり人形の部品。

ヴァージルが屋敷に行くたびに部品の一部を発見するのだけど、この時点で何かおかしいとは感じなかったのか。

どうしていつも部品が床に落ちているのかを考えると少し不気味なものを感じそうだけど、クレアとの恋に夢中になっているから勘が鈍っていたのかな?

部品を持ち帰る毎に人形が完成に近づいて行く様子は、何かのタイムリミットが迫っているような印象を受けました。

たごやま
たごやま

そもそも勝手に持ち帰るなよ。
何してんねん、このオッサン。

登場人物の言動や行動にも、いくつか違和感を感じるシーンがあります。

1度目の鑑賞で気付く人は少ないでしょうし、そんな事を考えながら映画を観ていたら疲れると思うので、伏線探しは2度目の鑑賞の時にオススメします。

私の人物評ではヴァージルは鑑定士の立場を利用して依頼人に詐欺行為を働くような悪人であり、このオッサンの身に何が起ころうと同情の余地はありません。

人生は結局、プラスマイナスゼロで帳尻が合うように設計されているという事でしょうか。

そういう意味では『マッチスティック・メン』主人公のロイと同じ気がしてなりません。

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『鑑定士と顔のない依頼人』を鑑賞できるサブスク

『鑑定士と顔のない依頼人』に興味を持った方は、ニコラス・ケイジ主演の『マッチスティック・メン』も一緒に観賞してみて下さい。
主人公の職業や立場は違うけど、展開が似ている気がします。

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本記事の作品はイタリアの映画ですが、知らない役者さんでもストーリーが凝っているので結構楽しめました。

イタリア映画で他にオススメなのが『いつだってやめられる』シリーズ。
職を失った元大学教授たちが専門分野を生かして裏の商売を始めるコメディです。

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