
主人公が詐欺師だけに、ラストは色々な意味で騙されました。
ラストだけではなく、この作品は随所に“騙し”が仕組まれていて伏線となっています。
映画を観ている人に対しても騙しが仕掛けられている、とんでもない作品。
『マッチスティック・メン』あらすじ
詐欺師のロイは相棒フランクと共に、人を騙して小銭を稼ぐ毎日。
ある日、離婚した妻との間にできた娘アンジェラと再会し父親としての幸せを実感する。
一緒に過ごす内にアンジェラはロイの仕事に興味を持ち、詐欺の手法を指南して欲しいと言い出す。
【見どころ】父親にとって娘は最高の精神安定剤
今まで精神薬が切れると発作が出ていたロイは、アンジェラと交流を始めてから症状が落ち着き始める。
【主要登場人物 / キャスト】登場人物全員を疑え
感想(ネタバレ含む)詐欺師は因果な商売
詐欺師の世界というのは色々と複雑なんですね。
ある仕事のためだけに一時的に手を組む事もあれば、長年仕事を一緒にやって来た関係で絆で結ばれているチームもあったり、誰が味方で誰が敵か疑心暗鬼になる場合も・・・。
しかし結局「信じられるのは自分だけ」という答えに行き着く詐欺師も多い気がする。
ロイは色々と騙されている!?
ロイは潔癖症等の強迫性障害を患っていて発作が出たら薬を飲んでいたのだけど、ある時からセラピストが変わって、新たに渡された薬がただのサプリメントに変更されたのに症状は治まります。
これもある意味で騙しですよね。
本人が薬だと認識していればただのサプリメントでも効果があるという、詐欺師なのに自分が騙されている皮肉な状況。
人を騙す仕事をしているので、まさか自分が騙されているなんて思いもよらないといった感じでしょうか。
騙すのはプロだけど、逆に騙されるという状況に慣れていないのかも知れない。
あとはフランクという相棒の存在があるので、全ての事柄を疑ってかからないといけない詐欺師という仕事の中で「人を信じる」という気持ちが芽生えてしまったのでしょう。
自分は「騙す側」であるという思い込みが、逆に騙されるきっかけにもなるのだと思います。
詐欺師の世界は仁義なき戦い
詐欺師は犯罪者だけど、それでも超えちゃいけない一線というか「仁義」というものは存在しないのでしょうか。
さすがにそれはやっちゃイカンでしょう、という事をやるのが詐欺師の世界。
とにかく人の心をもてあそぶ訳ですよ。
ターゲットから信用を得るほどに騙し易くなるのは確かだけど、心が痛まないのかな?
・・・痛まないんでしょうね。
それよりも、仕事が成功した時の喜びの方がはるかに大きい。

恐ろしい連中ですな。
良心なんてものを持っていては務まらない職業、それが詐欺師。
この作品は自分が詐欺師になったつもりで観賞すると面白いです。
登場人物の全員を疑いながら注意深く観てください。
何気ないアイテムが伏線になっているかも知れないし、会話の中に騙しのヒントが隠されているかも知れない。
ただの親子の触れ合いを描いた感動作品ではないし、そもそも主人公は詐欺師。
最終的には「そう来たか!」といった感じで、数々の伏線が回収されます。
ハッピーエンドともいえるし、不満が残る部分もある。
でも、いやな終わり方ではなかったですけどね。
『マッチスティック・メン』を配信しているサブスク
『マッチスティック・メン』は邦画の「コンフィデンスマン JP」シリーズに近いような気がします。
「オーシャンズ」シリーズとはちょっと違う感じですかね。
関連記事 『コンフィデンスマン JP』シリーズ
関連記事『オーシャンズ』シリーズ
動画配信サービスで実際に観賞して比較してみると思い白いですよ。
注意点として、全ての作品が見放題とは限りらないので入会前に最新の配信状況を公式サイトで確認してください。
※見放題対象ではない場合は、月額会費の他に追加料金が必要です。