毎年クリスマスイブを一緒に過ごしている幼馴染みの3人が夜の街でトラブルに巻き込まれるコメディ。
邦題にハングオーバーというタイトルが使われているけど本家の『ハングオーバー』とは方向性が少し違ってただのバカ騒ぎ映画ではありません。
大人になった3人がそれぞれに抱える事情がクローズアップされて、本当の自分になるために仮面(偽りの自分)を取り去って人として成長する様子も描かれています。
『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』あらすじ
14年前に事故で家族を失ったイーサンを励まそうと親友のアイザックとクリスは毎年クリスマスイブを3人で過ごす事を習慣にしていたけど、年月が経過してそれぞれに事情を抱えるようになり、今年で最後のクリスマスにしようと決めて夜の街に繰り出す。
【見どころ】ミスター・グリーンが物語のキーマン!?
- 実はただのお馬鹿コメディ映画ではない、人生にまつわる深い部分が描かれている
- アイザックは危険なブツをやり過ぎて妻の顔がドラゴンに見えている
- ミスター・グリーンはただ者ではない
【主要登場人物 / キャスト】ミスター・グリーンは驚きの人物
感想(ネタバレ含む)大人の友達関係は難しい
両親を交通事故で失ったイーサンを励ますために幼馴染みの親友アイザック&クリスが毎年クリスマスイブに一緒に乱痴気騒ぎをするようになって14年が経過し、お互いに忙しくなり今回で最後にしようと決めて街に繰り出すという内容なのだけど、この作品は大人の階段を上って成長するという裏テーマがある作品なのだと思います。
30代中盤になった3人はそれぞれに悩みを抱えている訳ですよ。
- イーサンは人生そのものが停滞気味
- アイザックは妻が出産を控えていて、自分が父親になる事の不安と葛藤
- クリスは人気のアメフト選手だけど、ちょっとした秘密を抱えている
大人になるにつれて人間は自分に噓をついて(偽って)生きるようになる傾向がある。
本当の自分(本音)を隠しながら周囲に合わせて毎日を過ごしている。
アメリカ人がパーティ好きなのは日ごろ溜め込んだストレスを発散する目的もあるのだろうけど、怪しい葉っぱや薬を使う人が多いのは本当の自分を解放するため?
データによると米国人の怪しいブツ経験率は4割程度だそうな。
ハリウッド映画のパーティのシーンでは高確率で怪しいブツが出てきますよね。
使っている人が多いから抵抗が少ない人が多いのかも知れない。
アイザックもブツの影響で大変な事になっていました。
最終的に体調不良になって惨事が起こる可能性が高いのに、どうして手を出しちゃうのかな。
騒ぐと決めたらトコトン楽しまなきゃ勿体ない精神?
しかもアイザックにブツを渡したのは妻。
親友と過ごす最後のクリスマスイブだから楽しんで欲しいという理由でプレゼント。
この時点で理解不能だけど、アメリカ人にとって怪しいブツは酒と変わらない感覚なのでしょうか。
まあコメディ映画に真面目にツッコんでも仕方が無いけど、ちょっと恐怖を感じました。
しかしアイザックの妻がネット通販で調達したブツと比べて、ミスター・グリーンが取り扱っている葉っぱはモノが違います。
吸ってみると、未来が見えたり後悔している過去の記憶が呼び覚まされたりと、ある意味で人生を見つめ直すきっかけのようなものを感じる事ができます。
この男はただの小汚い売人ではないと思って注目していたら、とんでもない人物でした(笑)
役割としては、イーサン達を導く人生の水先案内人的な存在。
最終的に3人それぞれが“前を向いて歩み出す”展開になるところが、この作品がただのバカ騒ぎ映画ではない証拠だと思う。
作中に出てくる「年をとっても友達で居続けるには努力が必要」というセリフに色々と考えさせられる部分があるけど、友達で居るのが難しいのならいっそのこと心で繋がっている家族(ファミリー)になっちゃえば良いのだと思いました。
友達とは疎遠になって関係が切れる場合があるけど、家族なら定期的に集まる大義名分が出来ますからね。
3人だけで過ごすことが難しくなったのなら、イベントがある毎にファミリー(関係者)全員を巻き込んで楽しめば良いだけの話です。
この作品はコメディの皮を被ったヒューマンドラマかも知れない。
映画『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』を配信しているサブスク
本記事の作品はアマプラで見放題となっていたので試しに視聴してみたのですが、少し人生について考えさせられる要素があり『ハングオーバー』のような正真正銘のバカ騒ぎ映画とは一味違いました。
『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』は『ハングオーバー』シリーズとは全く関係が無いので注意してください。
関連記事 『ハングオーバー』シリーズ関連作品一覧
両方の作品をサブスクで見比べてみるのも良いと思いますが、似ているのはタイトルだけで同じコメディ映画でも方向性が異なります。
サービス名 | 月額料金(税込) | 同時視聴できる端末数 | 無料お試し期間 |
---|---|---|---|
U-NEXT | 2,189円 | 4台 | 31日間 |
Amazonプライム | 600円 | 3台 | 30日間 |
この作品のキーマンとも言えるミスター・グリーン役のマイケル・シャノンは他の作品でも独特の存在感がある役を演じている事が多いです。
関連記事 『ブレット・トレイン』あらすじ・感想
関連記事 『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』あらすじ・感想
関連記事 『マン・オブ・スティール』あらすじ・感想
『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』のジョナサン・レヴィン監督、イーサン役のジョセフ・ゴードン=レヴィット、アイザック役のセス・ローゲンがタッグを組んだほかの作品もオススメ。