アメリカの地方選挙が題材のコメディ作品。
日本と違って共和党と民主党の一騎打ちなので、選挙となると町が二分されます。
とにかく勝つためにはどんな手段でも使う両陣営の選挙参謀の戦いが面白い。
『スイング・ステート』あらすじ
大統領選に敗れた民主党の選挙参謀ゲイリーが田舎の町長選挙で起死回生を狙うべく活動を開始すると、共和党から強力な選挙参謀が送り込まれてくる。
ライバル同士のなりふり構わぬ選挙戦はどんどんエスカレートしていき、日本の選挙では考えられない展開に!
【見どころ】田舎町の住人は案外したたか
- 最終的に当選すれば良いという考え方で、やったもの勝ちの何でもありの展開に驚かされる
- 都会からやってきた選挙参謀の言いなりにならない、田舎の人々の強かさもスゴイ
- 両陣営の参謀同士が恋人関係!?
【主要登場人物 / キャスト】選挙参謀同士の罵り合いが面白い
感想(ネタバレ含む)民主主義の行き着く先
アメリカの地方選挙が舞台の映画。
トランプ氏やクリントン氏の他にも歴代大統領の写真が映画内で登場したりするのも、日本の政治を題材にした映画とは違って現実感を感じます。
タイトルの「スイング・ステート」とは激戦州の事で、共和党と民主党が一進一退の攻防を繰り広げている地域という意味。
アメリカにも二大政党以外の政党はあるみたいだけど、大都市や国政の選挙で議席を獲得する事はほぼ無いそうです。
舞台となった田舎町も現町長が共和党、主人公のゲイリーが支援する大佐が民主党で、他の小政党の影は一切ありません。
- テレビカメラの前で平気でウソを吐く
- 支援者から寄付金を集めるための行脚
- 敵陣営の人材の引き抜き
クリーンとは程遠いドロドロの醜い戦いを繰り広げる。
選挙に勝つためには、そこまでやらないといけないのか。
・・・日本も似たようなものかな。
日本の選挙の裏側が描かれた映画を観て比較してみると面白いかも知れない。
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日本の選挙も利権が絡んでいて、アメリカの事を笑ってばかりはいられませんね。
アメリカ人なら映画に散りばめられた風刺や皮肉のシーンで爆笑するのかも知れないけど、日本人はなかなか理解し難くて選挙関連のシーンで笑う事は少ないと思います。
私が笑ったのはゲイリーとフェイスの罵り合いのシーン。
下ネタなので詳しくは書けないけど、
「こちらが勝ったら〇〇してもらう・・・長時間だ!」
特に長時間の部分、「A Long Time(ア、ロングターイム!)」がツボにはまった。
※字幕版で観賞
この二人はもはや、選挙ではなくライバルに勝ちたい一心でやっているだけですな。
小さな町に暮らす人々はしたたかに生きている
アメリカは日本と比較にならない位に貧富の差が激しくて、個人レベルだけではなく自治体間の格差も相当に酷いそうです。
小さな町の住民たちは財政難を解決するために利用できるものは何でも利用しようと知恵を絞り、今回の選挙にも便乗して策を巡らせます。
そこがこの作品のキモです。
都会からやってきた選挙参謀の言いなりになっているように見せかけて、自分達は裏でコソコソ動いている。
つまり田舎の住民たちは何もできない無知な人間を装いながら、実はしたたかに行動している。
田舎町とはいえ都会で知識を得た若者が故郷に帰って地元に貢献している事もあるのだから、侮ってはいけないという事ですね。
表向きは民主党と共和党の代理戦争だけど、実際は第3勢力が存在している感じでしょうか。
最後のオチには驚かされたけど、法律上は問題が無いみたいで実際にあり得るとの事。
それもこれも、この様な行為を規制する法律を作らない政治家たちの体たらくが原因だそうな。
アメリカの政治家も結局日本と同じような感じなのでしょうかね。
生活に必要な法律は先延ばしでなかなか成立させないのに増税案だけはやたらとスピーディに成立させたり、国民の利益よりも自分達の利権が優先というイメージ。
映画『スイング・ステート』を配信しているサブスク
- アメリカの選挙戦を描いた『スイング・ステート』
- 日本の選挙戦を描いた『決戦は日曜日』
両方の映画を比較しながら鑑賞するのも面白いと思います。
選挙が題材だけど、どちらもコメディ映画なので結構面白いですよ。
関連記事 『決戦は日曜日』あらすじ・感想
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