破天荒刑事のカールはPTSDで現在休職中。
1作目で同僚の刑事の命を救えなかった後悔の念が心にずっと残っている様子。
オフィスにいるのはアサドとローセの二人だけ。
2作目から加わったローセはボクシングを始めたようで、時々アサドが練習相手になっている。
そんな特捜部Qに別の部署の刑事が仕事を持ち込んでくる。
海岸に流れ着いた瓶に入っていた紙に書かれていたメッセージには事件の匂いがプンプン。
とりあえず面倒そうだから、アイツらにやらせよう的な感じで持ち込まれた今回の事件。
もはや特捜部Qは便利屋みたいな扱いになっています。
『特捜部Q Pからのメッセージ』あらすじ
特捜部Qに新たに舞い込んだ仕事は、海岸に流れ着いた何者かからの助けを求めるメッセージ。
差出人の名前がPから始まるという事の他にわずかな手掛かりしかない状況で、徐々に事件の真相に近付いていく。
【見どころ】謎の人物PからのSOSメッセージ
- 今回のカールは終始大人しいけど、犯人に痛い目に合わされる役回りは変わっていない
- 怪しい伝道師ヨハネス
- 犯人は比較的早くに登場
【登場人物(キャスト)】ローセは事務職員ではなく警察官だった
感想(ネタバレ含む)イスラム教徒と神を信じない男のバディ
事件が持ち込まれたのはちょうどカールの休職期間が明けたタイミングみたいで、アサドとのコンビが復活。
憂鬱な気分が抜けないカールをアサドが諭すシーンで、
「人生は神秘的なものだと思いませんか?」という問いに、
「・・・思わない。」と表情を変えずに答える無神論者のカール。
表情を見る限りではカールは本気で理解できていない様子。
心の中で(コイツ何言ってんねん?)と思っているのかも。
敬虔なイスラム教徒と神に救いを求めない男。
私には両方ともよく分からない。
日本人は無宗教と言われているけど、受験・病気・就職・縁結び等で神社やお寺を訪れるし、季節ごとのイベントも元々は宗教行事が始まりとなっている事が多いと聞きます。
無宗教ではなくて日常生活に溶け込み過ぎて当たり前になっているから気付いていないだけだとテレビで誰かが言っていましたが、まさにその通りのような気がします。
宗教ではなくて、もはや文化として定着してしまっている。
熱心に何かを信仰している訳ではないけれど、時々神様や仏様にお願いをするのが日本人。
クリスマスで盛り上がった一週間後に、お寺に行って除夜の鐘を鳴らす変わり身の早さ。
世界的に見ても、ちょっと特殊な価値観を持っている民族なのかも知れませんね。
『特捜部Q』の犯人は比較的早い段階で登場
このシリーズは比較的早い段階で犯人が分かって、そこからどうやってカール達が真相に辿り着くのかという感じで描かれます。
今回は宗教がらみの殺人事件。
Pで始まる人物からのメッセージと、別の事件が一人の人物に結び付いていく。
過去の2作に比べるとあまり複雑な要素が無くて、カールの破天荒さも控えめ。
というより、普通の仕事熱心な刑事さんになっている。
今作は『スノー・ロワイヤル』のハンス・ペテル・モランドという人が監督。
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前作とは別の監督になったので、雰囲気も少し変わったような気がします。
とはいえ、カールは誘拐された子供の父親に殴られたり犯人に連れ去られたりして色々と痛い思いをするところは変わっていません。
前回は遠くから麻酔銃を撃たれて拘束されたけど、今回はどうやって犯人に捕まったのかという描写が無かったので、その点は少しモヤモヤが残ります。
※犯人を捕まえたのではなくて、逆にカールが犯人に捕まったという事です(笑)
そして今回は美人秘書のローセが現場捜査に参加。
もしかして彼女は警察官ではなくてただの事務職員なのかと思っていたけど、よく考えてみると事件の深い部分の話をしている会議の時に一緒にいるので、そんなはずはないですよね。
その点は前作からのモヤモヤが解消しました。
今作では事件解決もさることながら、カールの心の状態が改善されたような描写もあるので、次回作ではどんな雰囲気になっているのか気になります。
前作では金属バットで殴られて病院送りになって暴走し過ぎ感があったけど、次回作ではもう少し破天荒が復活してくれたら嬉しい。
あと、特捜部Qという部署は今やお荷物部署ではなくて他の部署がサポートに回る頼りになる存在に変貌。
これに関してはカールが前に所属していた部署の上司が彼の理解者だからという事が大きい。
実績をあげているという事もあると思いますが。
次回作は過去に発生したナイトクラブのマダムの失踪事件の捜査。
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