『鍵泥棒のメソッド』あらすじ・感想 | 几帳面男と適当男の人生が入れ替わって大変な事に!

『鍵泥棒のメソッド』の詳細情報
  • 公開年  : 2012年
  • 上映時間 : 2時間 8分
  • 監督   : 内田けんじ
  • キャスト : 堺雅人 / 香川照之 / 広末涼子 / 荒川良々 / 森口瑤子 ほか

『鍵泥棒のメソッド』あらすじ

貧乏役者の桜井は銭湯の脱衣所で偶然見かけた金持ちそうな男が洗い場で気絶しているのを良い事に、盗んだ鍵で男のロッカーを開け荷物一式を持ち去ってしまう。

その後、謎の男の正体が判明し桜井は絶体絶命の窮地に陥る。

【見どころ】いい加減な男と几帳面な男の人生が入れ替わる

適当な性格の男が、綿密に計画を立てないと上手く行かない仕事をやると大変な目に遭う。

適当に生きてきた男が几帳面な性格に入れ替わると、人生を軌道修正できる。

【登場人物 / キャスト】

  • 桜井武史(堺雅人)
    銭湯で他人のロッカーのカギを盗んだ貧乏役者。
  • 山崎信一郎(香川照之)
    闇の世界においてコンドウの名で恐れられる便利屋。
  • 水嶋香苗(広末涼子)
    雑誌『VIP』の編集長。
  • 工藤純一(荒川良々)
    コンドウに仕事を依頼した裏社会の人間。

感想(ネタバレ含む) | 出来心で他人の金に手を出すと命取り

桜井は役者の勉強の為に買った本も数ページだけ読んでそれ以降はほったらかしのいい加減な性格。
謎の男・コンドウは、几帳面かつ生真面目。

つい出来心でやってしまった事が大変な事態になってしまった貧乏役者と、転倒して頭を打った事で記憶喪失になった闇の便利屋の人生が入れ替わってしまった。

性格が真逆な者同士の人生が入れ替わる

頭を打った影響で記憶をコンドウは、現状をノートに書き出し状況把握に努める。
そして病院の前で偶然知り合った香苗に自分の住所らしきボロアパートまで彼女の車で送ってもらう。

彼は戸惑いつつも自分が役者である事を認識し、翌日のエキストラの撮影に参加。
その現場でチンピラ役に抜擢され、演技が監督に気に入られる。

一方、本物の桜井は謎の男の財布の中の金を使い、複数の知り合いを訪ねて借りていた金を全員に返済。
普段お金を持っていなかった人が突然大金を手にすると、どう使って良いのか分からない感じになるのは何となく共感出来ます。

借金返済をするのは自然だけど、贅沢の仕方が分からないのか食事はビールとカップラーメン。
高い買い物がしたくても、まず何処に売っているのかが分からない(笑)
まあ、そんなものですよね。

そして、ある一本の電話がきっかけで謎の男の正体を知った桜井。
よりにもよって、とんでもない人物の鍵を盗んでしまいましたな。

記憶が蘇った便利屋

記憶喪失の人は、ほんの些細なきっかけで元の記憶を取り戻す事があるそうな。
思い出の曲だったり、過去に訪れた事がある場所だったり。
あと匂いとか食べ物の味とかも。

コンドウも、あるきっかけで完全復活。

そしてダメ男・桜井の前に現れる。

本人が記憶喪失の内に好き放題やらかしたものだから、大変な事になっている。
家の中の物を勝手に使ったりするのはまだ良いとしても、仕事関係でトラブルを起こしているので非常にマズイ状況。

ただのサラリーマンならどうにかなったかも知れないけど、闇の仕事をしているという事は依頼者も当然、裏の業界で生きる人物。
偽物の尻拭いをする羽目になった本物のコンドウ。

「お前何してくれてんねん!」という話ですよ。
今まで築き上げてきた裏社会でのイメージを完全に崩壊させられたわけですからね。

逆に自分が桜井だと思い込んで役者として真面目に取り組んで芽が出そうになっていたのが皮肉。

真面目な人と不真面目な人の差

今回の入れ替わり生活で分かったのは、真面目に取り組めばどんな事でも光が見える。

逆に不真面目な男は、何をやっても上手くいかない。
他人の人生を勝手に生きようとしても、絶対にどこかでヘマをする。
だって不真面目なんだもの。

几帳面過ぎるのも息が詰まるけど、不真面目過ぎるのは絶対に良くない。

本物の桜井が役者として今まで成功できなかったのは才能的な事ではなくて、性格の問題。
悪党という程ではないけど、とにかくセコい
他にも全体的に適当過ぎる。
そもそも台本を真面目に読まないっていうんだから、そりゃダメですよ。

桜井がコンドウを装っていた数日間は、映画『アラジン』のランプの魔人がオススメしない願い事に挙げた最たる例ですね。

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いきなりお金や権力を手に入れても、それを入手する過程をスッ飛ばしているので、うまく使いこなせない。
目の前に大金があっても使い方が分からず、カップラーメン生活を続けていた桜井。

一段ずつ階段を上って実力を身に着けた人なら、そのお金を新たなビジネス等に投資してさらに増やせる可能性があるけど、桜井の場合は間違いなく減る一方。

努力するかしないか、これが真面目な人と不真面目な人の差ですね。

最後まで目が離せない展開

終盤は工藤を騙そうとして見抜かれたり、絶体絶命の状況で香苗が良い事に気がついたりと最後まで目が離せない展開。

それにしても荒川良々が演じる工藤の演技がリアルな感じで怖かった。
ハプニングが起きても表情を変えないというのは、不気味感が増しますね。
今までに数々の修羅場を潜りぬけてきた雰囲気が伺える工藤。

そして恐ろしいのがコインパンチですよ。
おもむろに小銭入れから硬貨を取り出して握りしめ・・・ドスン!

この作品の内田けんじ監督が、同じく監督を務めた『アフタースクール』も面白いです。

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