何人もの愛人がいる男が知り合いの女性に偽の妻を演じて貰って、愛人との関係を清算(グッド・バイ)するための行脚を繰り返す物語。
偽者とはいえ妻を同行させて愛人の元を訪ねる理由は、浮気が妻にバレてしまったという設定だから。
小池栄子が演じるキヌ子(偽の妻役)が終始ダミ声なのが面白い。
『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』あらすじ
終戦直後、文芸雑誌の編集長である田島は疎開先から妻子を呼び戻す前に複数の愛人との関係を清算しようと改心し、知り合いの作家に相談してみる。
そして作家の漆山から提案されたのは絶世の美女・キヌ子に偽の妻を演じてもらい、一緒に愛人の元を次々と訪問しながら別れを告げて行く作戦。
金にがめついキヌ子と優柔不断な田島のニセ夫婦は、無事に愛人たちと「グッドバイ」できるのか!?
【見どころ】愛人とのグッドバイを目指す優柔不断男
- 本妻にバレる前に複数の愛人全員に別れを告げたい田島
- 田島の金に釣られて偽の妻を演じる事になったキヌ子
- 全てお見通しの怪しい占い師
【登場人物 / キャスト】あの占い師は何者!?
感想(ネタバレ含む)キヌ子のダミ声が面白い
この作品の原作者は太宰治先生。
しかし未完の状態で絶筆となりました。
これをケラリーノ・サンドロヴィッチという人が独自の解釈で完成させたのが『グッドバイ』です。
一体どこの国の作家さんなのだろうと調べてみると、東京生まれの日本人やないか!
この作品は映画化より前に舞台化されていて、舞台・映画の両方でキヌ子役を小池栄子が演じています。
舞台からの流れで、映画でも同じキャラクターという設定によりキヌ子がダミ声という演出になったのだと思いますが、悪い魔女みたいな口調だったから最初はメチャクチャ違和感を感じた。
キヌ子は男勝りな性格で大食いの怪力女という設定なのであの声になったのだろうけど、原作によるとキヌ子の声は鴉声(からすごえ)との事。
鴉とは、あの真っ黒なカラス。
確かにカラスの鳴き声はダミ声ですね。
キヌ子は田島の事を、「だじま゛さん」と発音するので、まさに鴉声。
担ぎ屋をしている時だけではなく、妻を演じている時もダミ声なのが可笑しかった。
「だじま゛のづまです。」
キヌ子のイメージで小池栄子の地声だと、声質がキレイ過ぎるのかもしれませんね。
ちなみに担ぎ屋って何だという話ですが、戦中から戦後にかけて生活必需品を仕入れて売っていた闇商人の事。
文芸雑誌の編集長をしている田島は複数の愛人がいて、妻にも仕送りしているというのに妙に金回りが良いんですよ。
編集長ってそんなに高給取りなのかと思ったら、この男は闇市で暗躍して儲けていた模様。
舞台が戦後直後の時代なので、色々とドサクサに紛れて副業的な事が出来たのですかね。
闇市に出入りしていて、担ぎ屋をしているキヌ子とも顔見知りだったというわけですな。
田島が何をしていたのかは知らないけど、水面下で非合法な商売をしていたのは間違いない。
田島に策を授ける漆山先生
田島が愛人と別れる為にどうしたら良いかと相談する相手が、作家の漆山という男。
どうやら長年の付き合いのようで、この先生の言う事なら素直に聞き入れる編集長。
随分と漆山先生に信頼を置いているみたいだけど、彼が提示する作戦は本気なのか遊びなのか分からないような適当な内容ばかり。
漆山先生は、からかい半分で作戦を立案したのだと思う。
この人は田島をオモチャにして遊んでいるようにしか見えない。
とはいえ、信頼している先生の作戦を律儀に実行していく田島。
まあその結果、キヌ子にはボコボコにシバき倒されたけど、愛人たちとは「グッドバイ」が成立したので結果オーライなのかな。
しかしそれだけではなく、思いがけない人物からも「グッドバイ」を告げられる田島。
この件に関しては、田島の自業自得やな。
この作品で一番得をしたのって、漆山先生ではないでしょうか。
他の登場人物は田島と「グッドバイ」した愛人や、成金になったけど一番大切なものを失う事になりそうなオチでプラスマイナスゼロ的な立ち位置の人ばかりだけど、漆山先生の人生はただプラスになっただけという唯一の勝ち組(笑)
もしかすると漆山先生は、事前にあの占い師から何か教えられていたのかも!?
あの怪しい占い師と漆山先生が実はグルで、田島で遊んでいたとしたら面白いですけどね。
映画『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』を配信しているサブスク
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サービス名 | 月額料金(税込) | 同時視聴できる端末数 | 無料お試し期間 |
---|---|---|---|
U-NEXT | 2,189円 | 4台 | 31日間 |
Hulu | 1,026円 | 4台 | ✕ |
Amazonプライム | 600円 | 3台 | 30日間 |
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大泉洋と小池栄子はそれぞれ数多くの映画に出演しています。
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